減塩のすすめ

コロナ禍では外出自粛や生活の制限でストレスを感じたり、運動の機会が減り運動不足になったり、私たちの健康面でも大きな影響があります。
食生活では外食が減った半面、在宅での間食が増えたり、保存食品の頻用などで塩分摂取が増加しているそうです。
食塩のとりすぎは高血圧の原因となり、脳卒中や心臓病、腎臓病などの生活習慣病を引き起こしやすくなります。早い時期から食塩摂取量を少なくすることで、加齢による血圧上昇を抑え高血圧を予防することもできます。
食塩制限は血圧が高めの人にはもちろん、正常血圧の人にとっても高血圧の予防のために意義が大きいと考えられます。
食塩摂取量の目安
1日あたりの食塩摂取量の基準は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2020年版」によると、男性は7.5g未満、女性は6.5g未満とされていますが、日本高血圧学会では1日6g未満、世界保健機関(WHO)では、すべての成人の減塩目標を1日5g未満としています。
特に糖尿病や慢性腎臓病の人は、循環器病や腎不全の予防のためにも1日6g未満の減塩を推奨しています。日本人の塩分摂取量は10年前と比較すると減っていると言われていますが、目標量と比較するとまだまだ塩分を過剰に摂取しています。
また、大人になっての高血圧や循環器病を防ぐためには、子どもの頃から食塩を多く摂りすぎないことが望まれます。現在は子どもの食育の一環として、小さい時から薄味に慣れるように学校給食で減塩に取り組んでいるところもあるようです。
現在、販売されている加工食品のほとんどには栄養成分表示がありますので、「食塩相当量」を確認して塩分の少ないものを選んだり、カップ麺などのインスタント食品の摂取頻度を減らすなども必要です。
減塩のコツ
普段の食生活の中で出来る、塩分を減らす工夫について紹介しましょう。
①「新鮮な旬の食材を使う」
新鮮な食材はそれだけで美味しいものです。食材の持ち味を生かして、少ない調味料でもおいしく食べることができます。
②「だしをきかせる
だしをしっかり取って、塩分を多く含む調味料を多く使用しない。まずは薄味に慣れることが大事です。
③お酢、レモンやすだちなどの柑橘類や、大葉やみょうが、ハーブなどの香味野菜を上手に利用しましょう。
④加工食品には塩分が多いので、ハムやベーコン、かまぼこや練り物などの摂りすぎには注意が必要です。
減塩の調味料を活用。だし醤油やポン酢、トマトケチャップ、マヨネーズなども上手に取り入れるとよいでしょう。
⑥麺類の汁は出来るだけ残す。漬物など摂りすぎないように注意しましょう。
調味料は「つけて」食べる。上からかけないで、少しずつつけて食べるようにしましょう。
減塩のコツを知って、ちょっとした工夫で日頃から美味しく減塩生活を心がけてくださいね。