新型コロナウイルス抗原検査キットについて

医療用の新型コロナウイルスの抗原検査キットは、これまで医療現場などに限って使用が認められていましたが、薬局やドラッグストアなどでの販売が特例的に認められ、購入できるようになりました。
用途としては、万が一のときのために自宅にキットを備え、体調が気になった場合に検査を行い、その結果に応じて速やかに医療機関を受診するといったものです。
決して、安心して旅行に行くために事前にチェックしたいというような陰性証明には適していません。
新型コロナウイルス抗原検査キットとPCR検査、抗体検査の違い
抗原検査と PCR検査は、鼻の粘膜などから「今現在体内にウイルスがいるか」を調べるものです。
抗原検査ではウイルスを構成している特有のタンパク質を検出し、 PCR検査では新型コロナウイルスに特徴的な一部分の遺伝子の配列を検出します。
抗原検査の長所は検査結果が15~30分とすぐに分かる点ですが、短所はウイルスの存在をキャッチする能力がPCR検査に比べると低く、本当の感染者を多く見逃すかもしれない点です。
PCR検査は高精度ですが、結果が出るまでに数時間かかります。
一方、抗体検査は、血液からウイルスに感染した際に体内で作られる抗体を検出し、「過去に感染したことがあるか」を確認できます。
抗体が体内でつくられるのには通常感染後2~3週間を要します。
抗原検査キットの一般的な使用方法
①「鼻腔ぬぐい液」の採取
綿棒の綿球部分は手で触れないようにして、綿球部分を鼻の穴に2 cmほど入れて、鼻の内側に沿わせて5回ほど回転させ粘膜表皮を採取します。
綿球が湿るくらい、しばらく鼻腔に静置します。
②検体抽出液に綿棒を浸し、搾り取るようにして検体を抽出して、液体をキットに滴下すれば検査結果が表示されます。
検査が終われば、一式をごみ袋に入れてしばり封をして廃棄してください。
検査後の対応
陽性であった場合は、速やかに医療機関を受診してください。
結果が陰性であっても、感染を疑う症状がある場合は、医療機関を受診することが望ましいです。
また、偽陰性(誤って陰性と判定されること)の可能性も考慮して、症状がない場合であっても、引き続き外出時のマスク着用、手指消毒等の基本的な感染対策を続けてください。
!購入時の注意点!
◎一部の薬局やネット通販では厚生労働省による承認を受けていない「研究用」とされる抗原検査キットも販売されており、性能等が確認されたものではありません。
購入する際は「体外診断用医薬品」と表示された製品を選び、必ず薬剤師の説明を受けてから購入するようにしましょう。
抗原検査キットではウイルス量が少ない場合は感染していても陽性とならないため、無症状の人が検査することは推奨されていません。
また、希望する人はあらかじめ購入しておく必要があります。検査の特徴を理解して、正しく使うことが大切です。