感染性胃腸炎

冬から春にかけて流行する感染性胃腸炎の主な原因は、ノロウイルスロタウイルスなどです。

 

👿ノロウイルス👿
初冬から冬にかけて流行します。
アサリなどのニ枚貝が原因の食中毒が有名ですが、人から人へも感染し、その感染力は強力です。
潜伏期間は24〜48時間で、主な症状は、吐き気、嘔吐、下痢などです。
熱が高くなることはあまりありませんが、
特に小さな子どもや高齢者では、嘔吐が続くことによる脱水に注意が必要です。

 

👿ロタウイルス👿
ノロウイルスより少し遅れて冬から春にかけて流行します。突然の下痢と嘔吐、発熱で発症します。
嘔吐、下痢などの症状はノロウイルスと似ていますが、熱が高く、重症度も高いようです。
ノロウイルスと同様に、脱水などに注意が必要です。


治療法
どちらのウイルスも、効果のある抗ウイルス薬はありません。
治療は、症状をやわらげる対症療法(吐き気止め、整腸剤など)が中心となります。
体力のない高齢者や乳幼児などで脱水症状がひどい時には輸液などの治療が必要になることもあります。
下痢止めは病気を長引かせる可能性があり、必要最小限にします。


予防と対策

🍀ワクチンによる予防🍀
ロタウイルスにはワクチンがあり、予防することができます。
2020年8月以降に生まれた子どもからは定期接種となっています
(経口接種、1価2回または5価3回)。
生後6週から接種可能で、他のワクチンと同時接種できます。
かかりつけの小児科医に相談、または厚生労働省HPを参照してください。
ノロウイルスに効果のあるワクチンはありません。

 

☘️手洗い☘️
どちらのウイルスにも有効な予防法は手洗いです。
普段から、流水・石けんを使って正しい手洗いを心がけましょう。

 

🍀ノロウイルス対策🍀
一般的な食中毒の予防法も有効です。
食品取扱者は手洗いを十分行うとともに、
調理器具をしっかり消毒しましょう。
また二枚貝などはしっかり中まで加熱しましょう。

 


感染者の糞便、吐瀉物の取り扱いに注意

①ノロウイルスが増殖する場所は、小腸と考えられています。
このため吐瀉物にも大量のウイルスが含まれており
カーペットなどに残ったウイルスにより感染する可能性もあり注意が必要です。
吐瀉物などの処理をする時には使い捨てのエプロン、手袋、マスクなどを着用しましょう。
どちらのウイルスも次亜塩素酸Na(塩素系漂白剤)が有効です。

ウイルスは乾燥しても死滅せず、空中に漂い、吸い込むことにより感染することもあります。
吐瀉物などは早めに処理し、片付けが終わったら、
風の通り道(入口と出口)を作り換気を十分に行いましょう。

 

吐瀉物や便などが衣類などに付着した場合にも、
熱湯消毒(85℃1分間以上)するか塩素系漂白剤で消毒しましょう。
個別に洗うことをおすすめします。
洗濯するのが難しい布団やカーペットなどは
スチームアイロンや布団乾燥機を使用するとよいでしょう。

 

感染者がうがいをした後の洗面所や使用した食器類
同様に塩素系消毒剤などで消毒しておきましょう。
ただし、ステンレス以外の金属は腐食する可能性があるので注意しましょう。