With コロナ時代こそ運動が大切

新型コロナウイルスの流行により、子どもから高齢者まで外出の機会が減少しています。
子どもにおいては、本来筋肉や骨など運動器の発育・発達のためにもよく体を動かすことが必要です。以前からスマホやネットの普及により子どもの運動不足が問題となっていましたが、さらに外で遊ぶ機会が減少し、子どもロコモ(ロコモティブシンドローム。加齢により身体機能が低下し、運動器の異常により移動機能の低下をきたした状態のこと)が懸念されています。
成人においては体重の増加や生活習慣病、血液検査の数値の悪化、高齢者においてはフレイル(虚弱)の進行が重要な健康課題となっています。
子どもロコモチェック(埼玉県運動器検診より)
*片脚立ち(左右それぞれ5秒以上)
 5秒以上立てない ふらつく
*しゃがみこみ(足を肩幅に平行に開き、かかとを地面につけたまましゃがむ)
 途中で止まる かかとが浮いてしまう
 後ろに倒れる
*肩挙上
 両手を垂直に上げられない
*体前屈(肩挙上で上げた腕を下ろしながら、体を前に倒す)
 指が床につかない 膝が曲がる
*グーパー動作(グーで肘を引き、パーにしながら腕を前に突き出す)
 パーで前に突き出したときに、手首・指が反らない 上半身がスムーズに動かない
1つでも当てはまれば子どもロコモの疑いがあります。成長期の身体機能低下はケガなどにもつながります。
改善のポイントは、①正しい姿勢②肩関節と股関節の柔らかさ③手足と指の関節の柔らかさです。
生活習慣の改善と同時に、ストレッチや外遊び、スポーツなどで積極的に体を動かしましょう。
成長期に体を動かすことは、自分の身体のコントロールの仕方や状況判断など知的発達に果たす役割も大きいです。
手指消毒や換気など基本的な感染対策を徹底したうえで、積極的に外遊びやスポーツを行うことをお勧めします。
高齢者のフレイルチェック
*体重減少
 意図せず体重が4~5kg減少した
*疲労感
 何もしていないのに疲れを感じることが多い
*歩行スピードの低下
 1秒間で歩行距離1m未満(青信号の間に横断歩道を渡りきれない)
*握力(筋力)の低下
 利き手で、男性26kg未満・女性18kg未満(体重の40%以下となってしまう)
*身体活動量の低下
 習慣的に実施していた軽い運動や体操、定期的な運動をしなくなった
上記に3つ以上当てはまる場合はフレイル、2つ当てはまる場合はフレイルの前段階と判断されます。
また、両手の親指と人差し指でわっかを作り、ふくらはぎを囲んでチェックすることもできます。ふくらはぎを囲んで指との間に隙間ができる場合は、筋力が低下しています。
フレイル予防のポイント
①栄養
食事は、筋肉のもととなるタンパク質を中心に、さまざまな栄養素をバランスよくとりましょう。タンパク質は成人男性で1日65gが摂取推奨量とされています。
②運動
ハーフスクワット(椅子の背を持ちながらでもOK)
1.足を肩幅より少し広めに開いて立ち、両手を前に伸ばす。
2.腰を後ろに引くようにして、4秒かけてゆっくり中腰になる。
3.4秒かけてゆっくり戻る。
4.戻った時は膝を伸ばしきらないようにして、これを6~10回繰り返す。
骨や筋肉の形成に欠かせないビタミンDは日光を浴びることで生成されます。天気の良い日はウォーキングにも出かけましょう。
③人とのつながり
高齢者においては、人とのつながりが希薄になると認知機能が著しく低下する恐れがあります。電話やオンラインツールを活用して、積極的に家族・友人と連絡を取り合いましょう。