目の充血

白目の表面は、「結膜」という薄い透明な膜で覆われています。結膜の表面は多くの血管が通っていますが、とても細いので普段は目立ちません。しかし、外部からの刺激や病気による炎症、疲れ目などが原因で、血管が拡張して充血したり、出血したりすることがあります。
目が充血する原因
1. 外部からの刺激
ゴミや異物が入った、コンタクトレンズが合ってない、長時間紫外線にあたった、目をこすった、プールに入った(塩素系消毒液の影響)など
2. 目の病気
結膜炎・角膜炎、強膜炎、ブドウ膜炎やものもらい、逆まつげ、緑内障、ドライアイ、兎眼(とがん)など
3. アレルギー
アレルギー性結膜炎、食物アレルギー、花粉症、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎など
4. 目以外の病気
群発頭痛、はしか、川崎病、腎症候性出血熱、ベーチェット病、ツツガムシ病など
5. 目の疲れ
テレビや読書以外にも、パソコンやスマホ、ゲーム機など目を使う機会が増え、目の緊張状態が続くと目の充血の原因となることがあります。コロナ禍で外出の機会が減り、パソコンでの作業が増えることも目の疲れ、充血の原因と考えられます。
ほとんどの場合、充血以外に目の痛み・痒み、目やに、かすみなどの症状もあります。場合によっては視力低下を起こすこともあります。
結膜下出血とは
結膜の細い血管が切れ、結膜の下に血液が溜まった状態で、白目が真っ赤になることがありますが、出血量は多くありません。多少違和感があるものの目の痛み、痒み、視力の低下や見え方の変化もありません。そのため自分では気づかず、周りの人に指摘されて初めて気づくことも多々あります。
出血の原因は不明なことが多いですが、目をこすった、物が当たった、怪我、強く咳込んだり、くしゃみをしたりして起こることもあります。
特に治療は必要なく、1~2週間で吸収されることがほとんどですが、出血量が多いと2~3ヶ月かかることもあります。結膜の下にある強膜は硬くて血液を通しにくいため吸収されるまでしばらく時間がかかります。怪我などが原因の時には治療が必要な場合がありますので、眼科を受診しましょう。
繰り返し起こる場合には、高血圧、糖尿病、動脈硬化、白血病など、何らかの病気が原因のこともあります。
「目が真っ赤になったので急いで受診した。出血は大丈夫だったが、他の病気が見つかった。」とお聞きすることもあります。念のための眼科受診をお勧めします。
新型コロナウイルス感染症
主に、口、鼻など上気道の粘膜から感染しますが、目の粘膜組織である「結膜」から感染する可能性もあります。実際、結膜充血、結膜浮腫、流涙、分泌物増加など結膜炎の症状があったという報告も出ているようです。発熱がある場合などは、念のためかかりつけの病院に電話連絡し受診をしましょう。