PMSと月経困難症

「生理前は、カラダとココロがしんどい。」
「生理痛はつらいけど、皆そうだから仕方ない。」
そうやって、毎月くり返される不調があっても、『ガマンするもの』とひとりで耐えている女性は多いと思います。
そしてそれは大人だけでなく、10代の子どもたちにも当てはまります。
また、症状の程度は個人差が大きいため周りの人に理解してもらえないことも多く、仕事・家事・勉強などへの影響は、はかりしれません。
生理【前】の症状 PMS
生理の始まる3~10日前頃からおこる不快な症状が「PMS(月経前症候群)」です。
生理の開始とともに軽減・消失するのが特徴です。
原因ははっきりとはわかっていませんが、女性ホルモンの変動が関わっていると考えられています。
PMSの認知度はまだ低く、生理中に鎮痛薬を飲むことはあっても、
生理前の症状には特に対処していない人が大半を占めているようです。
生理【中】の症状 月経困難症
【カラダの症状】
・乳房の張り
・腹痛
・頭痛
・むくみ
・ニキビや肌あれ
・便秘
・下痢 等
【ココロの症状】
・イライラ
・怒りっぽくなる
・不安
・無気力
・憂うつ
・涙もろくなる 等
生理中にあらわれる強い下腹部痛・腰痛・頭痛・下痢などの不快な症状が「月経困難症」です。
子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が原因となっている場合もありますので、症状がひどくなった時は早めに医師に相談することをお勧めします。
薬によらない治療法
まず、症状日記をつけて発症時期などを自分で把握することで、対処がしやすくなります。
◆適度な運動を行い、規則正しい生活をおくる。
◆ビタミンB6・ビタミンD・カルシウム・マグネシウムを積極的に摂取する。
◆カフェイン・アルコール・喫煙は控える。
◆症状が重い場合には、仕事の負担を減らすことが治療になる場合も。
薬による治療法
主な処方薬として、次のようなものが挙げられます。
♦女性ホルモン剤【低用量経口ホルモン剤(LEP)など】
そもそもの原因である排卵を止め、女性ホルモンの変動をなくすことで痛みやその他の症状が軽快する。
LEPは少ないホルモン量で排卵を止められるため比較的副作用が少ないうえ、服用中のみ一時的に排卵を止めるもので、中止するとすぐに排卵が回復し、その後の妊娠には影響を与えない。
服用している間は生理不順も改善され、周期が安定する。
♦鎮痛剤
下腹部痛や腰痛、頭痛などの軽減に使用。
早めの服用が効果的。
♦抗不安薬
イライラ・憂うつ・不安感・不眠など、精神的な症状が強い場合に使用。
♦その他の薬
漢方薬・利尿剤・ビタミン剤なども症状に合わせて使用。
市販薬を飲んで改善しなかった方も諦めずに、ぜひ一度は婦人科の先生に相談して、あなたの症状や体質に合った治療法をみつけてください。
また、思春期のお子さんがいらっしゃる場合は、普段からお子さんの体調変化を気にかけ、相談しやすい環境を作ってあげましょう。