よりよい睡眠をとるために

人は人生のおよそ3分の1の時間を睡眠に費やします。
脳や心身の休息のために睡眠は欠かせないものですが、シフトワークやテレビ・スマホ・ゲームなど、睡眠不足になる原因や睡眠を妨げるものがたくさんあります。
よりよい眠りは、健康に長生きできる可能性が高くなるという研究結果もあります。
良質な睡眠で、日中はより活動的になり、健康的な体重を維持し、コレステロールや血糖、血圧の値をより低く管理できることなどと関連して、がんや、脳卒中、心臓病、糖尿病、うつ病などの精神疾患、認知症などのリスクを抑えるのではとされています。
ぜひこの機会にご自身の睡眠状況を見直してみてください。

ちょうどよい睡眠時間とは?
経済協力開発機構(OECD)の2021年版の調査によると、日本は先進国の中で睡眠時間が最少なかったそうです。
日中眠くなることが多かったり、休日に朝遅くまで寝てしまったりする場合は、日ごろの睡眠時間が足りないというサインです。
適切な睡眠時間は、体質や生活内容などにも影響されるため一人ひとり異なります。
睡眠時間は日中眠くて困ることがない程度の時間を目安にするのがよいでしょう。
また同じ人でも加齢とともに必要な睡眠時間は短くなり、冬場はより眠りたいなど季節によっても変動するので、何時間眠らないといけないなど睡眠時間にはこだわらなくても良さそうです。

睡眠の質を高めるコツ
健康のためには十分な睡眠時間を確保することが必要ですが、それと同時に睡眠の質を高めることも大切です。
睡眠に関する悩みがない方でも、睡眠を改善するための対策は、若いうちから始めると効果が高いことも分かっています。

★快眠は規則正しい生活から

規則正しい生活によって、体内時計がホルモンの分泌や生理的な活動を調節し、睡眠に備えて準備してくれます。
体内時計を整え、体を睡眠に導くために、毎日同じ時刻に就寝・起床をすると効果的です。

★夜遅い時間に食事をしない

食べ物が消化・吸収されるまでに2~3時間必要なため、夜遅い時間に夕食をとると胃の消化活動が活発になり、結果として睡眠が妨げられます。
できる限り規則正しい時間で、栄養バランスの取れた食事を摂ることを心掛けましょう。

★適度な運動で夜もぐっすり

日中にウォーキングなどの適度な運動を、1日30分程度行うことを習慣にしてみましょう。
入眠を促進し、夜中に目が覚めてしまうことを減らすことができます。また、肥満や2型糖尿病の改善・予防にもつながります。

★入浴して深部体温を上げる

就寝1~2時間前の入浴は効果的です。寝る少し前に体の奥の体温である「深部体温」をいったん上げると、その後に下がって、眠りに入りやすくなります。

★光で体内時計を整える

朝に太陽光を浴びると体内時計が24時間周期にリセットされます。起きたらまずカーテンを開けて、自然の光を部屋の中に取り込みましょう。
反対に夜に強い光を浴びると目を覚ます作用があるため、就寝前の寝室の照明は明るすぎないようにし、テレビやスマホ・パソコン操作も控えるなど注意しましょう。