正しい湿布の使い方

スポーツの秋
普段身体をあまり動かさない人も運動の機会が増え、腰が痛い、肩が痛い、筋肉痛などの不調は出ていないでしょうか。湿布の正しい使い方についてお話します。
パップ剤とテープ剤
パップ剤は白色で水分を含み、厚みがあります。
粘着部分が肌に優しいためかぶれが少ない反面、はがれやすいのが特徴です。
一方テープ剤は粘着力が強くしっかり張り付くので、関節などの動きが大きい所への使用に向いていますが、長時間使用すると皮膚がかぶれやすくなることがあります。

●冷湿布と温湿布
冷湿布は、腫れや熱感を伴う打撲、ねんざなどの急性疾患に最初の5~7日に使用するのが効果的で、温湿布は肩こり、腰痛などの慢性疾患に効果的です。
温湿布はトウガラシエキスの刺激によってかぶれやすい場合があるので、入浴前後の30分間は貼らないようにしましょう。
冷湿布でも温湿布でも消炎鎮痛という基本的な作用は同じなので、貼り心地のよい方を使うとよいでしょう。

●1日1回タイプと1日2回タイプ
薬の作用時間によって1日1回貼るか、2回貼るかが決まっています。
1日1回タイプは8~10時間貼ることで消炎鎮痛剤が皮膚に浸透し、その後湿布をはがしても約24時間は効き目があると言われています。
1日2回貼るタイプは4~6時間で浸透し約12時間の効き目があり、次の湿布を貼るまでに一度はがしてから時間をあけて皮膚を休ませる事が大切です。
同じような名前でも1回タイプと2回タイプで違う場合があるので、必ず使用方法、使用量を確認するようにしましょう。

湿布を貼る時間
一般的には、お風呂上がりに貼り、朝起きた時にはがすのが良いと言われています。
皮膚の汚れや油分が洗い流された状態なので湿布がしっかりと吸着し、かぶれも起こりにくくなります。
汗をかいている場合は、肌を清潔にして汗が落ち着いてからにしましょう。

かぶれに対する対処法
皮膚炎・皮膚かぶれは湿布に多い副作用で、薬剤や添加物が皮膚への刺激となって炎症を起こすことがあります。
対処法としては、皮膚を清潔にしてから貼る・貼る時間を短くする・次に貼るまで間隔を空ける・貼る場所をずらす・塗り薬にする等があります。
日頃から保湿剤で皮膚の乾燥を防いでおくのも、湿布による皮膚炎の予防になります。

使い方に注意が必要な湿布薬
ケトプロフェンを含む湿布薬は「光線過敏症」に注意が必要です。
使用中及び使用後も最低4週間は貼ったところを日光にあてないように気を付けましょう。
ロコアテープなどの効き目の強い湿布は1日最大2枚までと決まっています。
また、飲み薬との併用も気を付けることになっています。
不明な場合は医師又は薬師にかならず確認しましょう。

湿布薬は身近な薬ですが、使い方を正しく理解して自分に合った湿布薬を使うようにしましょう。