10月10日は目の愛護デー

10月10日は目の愛護デーです。
1010を横にすると、人の顔の目と眉に見えませんか?
みなさんも目の愛護デーをきっかけに目の健康について考えてみてはいかがでしょうか。
今回は、健康診断や眼科の診察で指摘された方もいらっしゃるかもしれない「眼底出血」についてお話しします。

眼底とは?

眼底とは、眼球の内部、奥の部分のことをいいます。眼底には、網膜・脈絡膜や視神経、血管などの大切な組織があります。
眼底出血は多くの場合は網膜の出血のことを指します。
網膜の中心部である黄斑部は、中心視力にとって最も大切な部分です。

眼底出血をきたす主な病気

◆網膜静脈閉塞症
網膜の静脈がつまったり、血流が悪くなったりする病気です。静脈の流れが悪くなると、静脈内の圧力が高まり、閉塞した箇所の上流部分の網膜へ血液や水分が漏れ出ます。その結果、眼底出血を起こしたり、網膜がむくんだり(網膜浮腫)します。
また、血液の流れが悪くなると、網膜に酸素、栄養などが届かなくなり、一層病態が悪化していきます。

◆糖尿病網膜症
血管は、からだのすみずみまで栄養を届ける働きをしています。
高血糖の状態が続くと、血管が傷ついたり、つまったりして血液の流れが滞ってしまい、その血管につながる臓器が障害され、合併症を引き起こします。
目の奥にある「網膜」にも血管がたくさんあり、目の細胞に栄養や酸素を運んでいます。
糖尿病によりこれらの血管が障害されると、糖尿病網膜症を発症します。

◆加齢黄斑変性
年齢を重ねると黄斑に老廃物が溜まり、組織や血管がダメージを受けます。黄斑はものを見るときに重要な働きをしているため、視野のゆがみや欠けが生じることがあります。これが「加齢黄斑変性」の症状です。
滲出型委縮型の2種類があり、日本では滲出型が多くみられます。
滲出型は、網膜の内側から、あるいは中に発生した新生血管から、血液や血液成分などが漏れて出てくるタイプです。
漏れ出た血液や血液成分の影響で黄斑がうまく機能しなくなり、視力が低下してきます。
委縮型は、新生血管の発生はみられず、細胞の委縮により黄斑が機能しなくなり、視力が低下するタイプです。

◆高血圧網膜症
高血圧に伴う血管障害などにより、網膜の出血や浮腫などの障害が出る病気です。

◆網膜細動脈瘤
網膜の動脈に小さな瘤(こぶ)ができる病気です。高血圧・動脈硬化のある高齢の方に多いといわれています。
瘤の血管壁はもろく、破れて出血を生じることがあります。

その他にも、眼底出血をきたす病気はたくさんあります。
定期的に眼科を受診して必要に応じて眼底検査を受けましょう。