ピロリ菌の除菌について

ピロリ菌は胃の粘膜にいる細菌で、長く住み着いていると慢性胃炎となり、胃癌などの病気が起こりやすくなります。
感染経路は幼児期の経口感染と考えられ、感染すると大抵の場合は除菌しない限り生息し続けます。

ピロリ菌治療の流れ

胃カメラやピロリ菌の検査(尿、呼気など)で感染しているかどうかを検査します。
陽性の場合、除菌が必要です。
一次除菌では、2種類の抗菌薬(ペニシリン系とマクロライド系)と
1 種類の胃酸を抑える薬の計3種類を1日2回(朝・夕)7日間服用します。
薬を飲んで4週間以上あけて、除菌が成功したかどうかを調べます。
まだピロリ菌が残っている場合は二次除菌を行います。
2種類の抗菌薬(1つは一次除菌の時とは別の薬:ペニシリン系とメトロニダゾール)と
1種類の胃酸を抑える薬の計3種類を1日2回(朝・夕)7日間服用します。
4週間以上あけて再度ピロリ菌検査をします。
日本では二次除菌までが保険適用となっています。
二次除菌も不成功の場合、希望により三次・四次除菌を受けることができますが、保険適用外になります。

 

ペニシリンアレルギーがある場合

保険適用での除菌治療では、抗菌薬としてペニシリン系抗菌薬が用いられるため、
ペニシリンアレルギーがある場合、ペニシリン系抗菌薬を使用しない方法で除菌していくのが一般的です。
そのため二次除菌で用いるメトロニダゾールを先に使うことがあります。(メトロニダゾールとマクロライド系)

 

服用中の注意点

除菌が不成功になることもあるので、これらの薬を指示通りに正しく飲み続けることが大切です。
これらの薬の影響で軟便、下痢などの消化器症状や味覚異常などを起こすことがあります。
【軟便、軽い下痢又は味覚異常の場合】
自分の判断で飲む量や回数を減らしたりしないで、残りの薬を最後まで(7日間)飲み続けてください。
ただし、飲み続けているうちに下痢、味覚異常がひどくなった場合は主治医又は薬剤師に相談してください。
【発熱、腹痛を伴う下痢、あるいは下痢に粘液や血液が混ざっている場合】
このような場合には直ちに服用を中止し、主治医又は薬剤師に連絡してください。
その他、気になる症状がある場合は主治医又は薬剤師に相談してください。