健康寿命をのばす ~社会と関わり孤立を防ぐ~

孤立が病気や死亡を招く!

今、私たちの健康に重大な悪影響があると懸念されているものが「孤立」です。「孤独」「社会的孤立」が、高齢者の健康と寿命に悪影響を与える可能性があることは、数多くの研究で立証されています。また、社会とのつながりが少ないと、脳卒中や心臓病は1.3倍、認知症は1.5倍発症しやすくなります。孤立がよくない理由としては、ストレスの影響が考えられます。私たちが孤独を感じているとき、脳には体の痛みに等しいほど大きなストレスがかかっています。ストレスは心や体を害します。脳や心臓の血管にもダメージを与え、脳卒中や心臓病に直結します。

 

人生100年時代

人生100年と考えると、65歳以降の3分の1は、健康寿命を延ばし、健康で孤立せず、社会との関わりをもちながら健康長寿を実現したい。
健康長寿とは、身体に悪いところがないと考えるのではなく、多少の悪いところはあっても、自分を健康だと思い(主観的健康感)、日常生活が制限される事無く自分らしく生活できる状態です。社会とのつながりが健康寿命を延ばすことは立証されています。ボランティア、趣味、けいこごとなどのグループ活動に参加している人は、そうでない人に比べ、自立した生活を長く維持できています。
社会参加を通して、新しい友人ができる、生活に充実感が出る、健康や体力に自信がつく、生きがいができるなどの要因が、病気や要介護を予防し、死亡率を低下させ、健康寿命を延伸させて、健康長寿の実現に結びついています。

 

社会とつながるための3つの秘けつ

①がっつり参加ではなくちょこっと参加
がんばり過ぎると燃えつきてしまう心配もあります。自分の買い物のついでに買い物代行のボランティア、出かけるついでに近所の方の見守り、出来ることから始めてはどうでしょう。
②自分が楽しめることを
「これなら楽しめる・やりたい」という活動をじっくり探してください。今すぐ見つからなくてもかまいません。人生100年時代、気長にいきましょう。
③仕事も社会とのつながりの1つ
会社一筋だった人がいきなり地域などのグループに飛び込むのは簡単ではありません。退職してからもある程度仕事を続けてはどうでしょうか。仕事を続けることで社会とのつながりをもって、給料をもらい健康寿命を延ばしながら新しい社会活動へのソフトランディング期間と考えるのも良いでしょう。

 

つながりの目安は

🔷1日1回以上の外出
犬の散歩でもコンビニへの買い物でもなんでもかまいません。きっちりした用事がなくても意識して外に出ましょう。
🔷週1回以上友人・知人などと交流
これまでにつきあってきた友人や知人との関係を大事にし、積極的に連絡を取り合ってみるといいでしょう。
🔷月1回以上楽しさ・やりがいのある活動に参加
周りの情報に振り回される必要もありません。できるだけ早いうちから、数ある選択肢に目を向け、自分が楽しく活動できそうなものを探してほしいと思います。

 

積極的に社会参加し、いきいきと自分らしい生活をして、健康寿命を延ばし、健康長寿を実現したいですね。