コロナ禍で増えている?帯状疱疹

コロナ禍の今、気付かないうちにいつも以上にストレスをため込んでいたり、新型コロナウイルスに感染後免疫力が低下しているなどの影響で、帯状疱疹を発症する方が増えていると言われています。
帯状疱疹ってどんな病気?
ヒリヒリ、チクチクした痛みやかゆみに続き、体の片側に赤く小さな水ぶくれを伴う発疹が帯状に現れます。発疹は体のどの部分にも出る可能性はありますが、胸から脇腹にかけて上半身に現れることが多く、目の周りなど顔に出ることもあります。
多くの場合、皮膚症状が治ると痛みも消えますが、神経の損傷によってその後も痛みが続く「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれる合併症や、帯状疱疹ができた部位によって角膜炎、顔面神経麻痺、難聴などを引き起こすことがあります。

原 因 は?
ほとんどの人が子どもの頃にかかるとされる、水ぼうそうを引き起こす「水痘・帯状疱疹ウイルス」が原因です。水ぼうそうが治った後もウイルスは体内に潜伏していて、疲労、ストレスや病気などで免疫力が低下するとウイルスが再び活性化して神経に沿って体の表面に現れ、帯状疱疹を発症します。

治 療
原因となっているウイルスを抑える抗ウイルス薬と、痛みに対する痛み止めが中心となります。帯状疱疹の痛みは発疹とともに現れる痛みと、その後、神経が損傷されることにより長く続く痛みに分けられ、それぞれに合った痛み止めが使われます。
発疹が出てから2~3日以内のウイルスが増えてしまう前に治療を始めることが大切です。初期症状の場合は、飲み薬を1週間程度服用することで治ります。症状が重い場合や免疫力が低下している場合には、抗ウイルス薬の点滴による治療が必要となることがあります。

予防するには?
子どもの時に水ぼうそうに感染して獲得した免疫は、年齢とともに弱まります。 50歳を過ぎると帯状疱疹の発症率は上がり、3人に1人が経験するとも言われていて、中には2回以上かかることも
50歳以上の方は、ワクチンを接種することで予防することができます。
帯状疱疹ワクチンは、「不活化ワクチン」と子どもの水ぼうそう予防ワクチンと同じ「生ワクチン」の2種類あります。ワクチンは帯状疱疹を完全に防ぐものではありませんが、帯状疱疹を発症しないための選択肢のひとつになります。帯状疱疹の診察・治療を行う医療機関では接種を行っている場合もあるので問い合わせてみてください。
帯状疱疹の発症には、免疫力の低下が関係していることから、食事のバランスに気をつける、睡眠をきちんととるなど、日頃から体調管理を心がけることが大切です。
もしも体の片側に痛みなどのある発疹が出たら帯状疱疹を疑って早めに皮膚科を受診してください。