骨粗しょう症のお話

骨粗しょう症とは
骨粗しょう症とは、骨の量が減り、骨が脆くなり骨折しやすくなる病気です。骨量は成長とともに増えていき、20 歳代でピークを迎えます。40歳代までは骨量を維持していますが、それ以降は加齢とともに減少していきます。
また、骨は日々新しく作り直されています。骨を壊す役割を持った破骨細胞が古くなった骨を壊し(骨吸収)、その後、骨を作る役割を持った骨芽細胞が新しい骨組織を作り(骨形成)、修復されます。この骨の新陳代謝のことを「骨のリモデリング(骨改変)」と呼びます。1年間に20~30%の骨が新しい骨に入れ替わっています。
通常は、骨吸収と骨形成のバランスがとれた状態で新陳代謝が行われ骨の健康が保たれていますが、加齢とともにこの骨吸収と骨形成のバランスが崩れて骨量が減り、骨が脆くなります。
女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、骨の新陳代謝に関して骨吸収を緩やかにして骨からカルシウムが溶けだすのを抑制する働きがあります。女性の場合は、エストロゲンの低下により、特に閉経後に骨量が急速に減少します。
骨粗しょう症は、高齢者だけの病気ではありません。近年は、若年層でも問題になっています。食事制限など過度のダイエットによる栄養不足は、骨粗しょう症の原因の1つとなる可能性があります。特に成長期は骨を形成する大事な時期ですので、カルシウムを十分に摂りつつ、他の栄養バランスのとれた食生活と適度な運動習慣を保つことで、骨密度を高く保つことができます。

運動
運動をして骨に適度な負荷をかけることは、骨密度を保ち骨折を予防することに役立ちます。
また、筋力を保つことやバランス感覚を養うことも転倒を防止することにつながります。踵落とし運動、片足立ち運動、座位での足上げ運動などが骨折や転倒の予防効果があるとされている運動です。

日光浴
ビタミンDは、肝臓・腎臓で「活性型ビタミンD」に変化して、腸からのカルシウム吸収を補助します。ビタミンDは食物にも含まれていますが、日光浴をすることによっても皮下で合成されます。皮膚の中にある「プロビタミンD」が、紫外線の作用でビタミンDになります。
確かに紫外線は日焼けやしみ、しわなど肌のトラブルの原因になりますが、日焼けのリスクを減らしつつビタミンD合成を促すのが「手のひら日光浴」です。手のひらはからだの他の部分と比べてメラニン色素が少ないため日焼けするリスクが少ないですが、手のひらでもビタミンDは合成されます。

骨折予防・対策
つまづきや転倒は骨折のもとです。トイレや浴室、階段などの転倒しやすい場所に手すりをつける、コード類はなるべく減らしたりまとめたり固定するなど、自宅内の危険な場所を見直しましょう。
外出時には動きやすい服装や歩きやすい靴を履くなど工夫をして、転倒を予防しましょう。