痩せ願望にあるリスク

食べる物がたくさんある日本において栄養不足が問題となっています。
それは若い女性における「痩せ」です。WHO(世界保健機関)はBMI(体格指数)が18.5未満を「痩せ(低体重)」としていますが、日本の若い女性では5人に1人が当てはまります。先進国の中では最も痩せが多い国となっています。
痩せているのが良いというわけではありません。若い女性の痩せや無理なダイエットが引き起こす栄養問題を知っていますか?
痩せている方が良い?
多くの若い女性が痩せ願望やダイエット指向を持っています。
その多くが痩せる必要はないのに「自分は太っている」と誤った認識をし、その結果、偏った食生活や極端なダイエットを行っています。こうした問題が改善されないのは、適切な体形についての認識不足、痩せている方が良いという価値観の普及、様々なダイエット法が広まっていること等が背景にあると考えられます。
特に若い女性は美に対して敏感なためその傾向が強いと思われます。
偏った食生活は危険!
痩せるためにダイエットや偏った食生活をしていると、体に不調が現れます。
例えば、鉄が欠乏して貧血になり、それに伴いだるい・疲れやすいといった症状が起こります。貧血予防のためにも、肉や魚をしっかりと摂り、それらの吸収を高める果物等のビタミンCを含むもの、ほうれん草などの緑黄色野菜を組み合わせてバランスのよい食事を心がけましょう。
また、朝食を食べないといった食事を抜くダイエットを繰り返していると、筋肉が減少して代謝が悪くなり、摂取したエネルギーを体脂肪として蓄積しやすい体質になってしまいます。一日三食きちんと食べましょう。
将来に影響が…
日本では2500g未満の低出生体重児の割合が増えていますが、その原因の一つに若い女性の痩せや妊娠中の体重増加不足があるといわれています。
小さく生まれてきた子どもはエネルギーを溜め込みやすい体質であるため、成長していくにつれ、高血圧や糖尿病等の生活習慣病にかかりやすくなると考えられています。そのため、妊娠する前からの食生活が自分自身だけでなく、将来生まれてくる子どもにも大切となってきます。
また、痩せたまま高齢となってしまうと、若い時の偏った食事や少ない食事量で栄養が蓄えられていないことから、抵抗力や免疫力の低下、さらに骨粗しょう症にかかりやすくなる恐れもあります。
まずは知ることから
自分の体形を客観的に知らずに無理なダイエットや食生活をしてしまうと、上記のように何らかの影響が出てくる恐れがあります。まずはBMIで自分の今の体形を知りましょう。
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
BMI  18.5未満 …低体重(痩せ)
   18.5~25未満 …標準
   25~…肥満