目に見えない水~バーチャルウォーター~

今年の梅雨は雨が少なく、玉川ダムの貯水率も一度は60%を下回りました。普段は気にすることもない貯水率の心配をしながら、蛇口やシャワーから流れていく水を見るのはなんだか心苦しかったです。

一方、目には見えない水、仮想水(バーチャルウォーター)と呼ばれる水もあります。「輸入食料を自国で生産するとしたら必要になる水」のことを指し、たとえばトウモロコシ1kgを生産するには1800リットルもの水を必要とし、そのトウモロコシを食べる牛から1kgの牛肉を生産するには、なんとさらにその2万倍の水を必要とします。日本国内では水を消費していなくても、生産国ではそれだけの水が消費されているのです。

日本の食糧需給率は40%程度です。そのため食生活の半分以上は海外の水に頼っているとも言えます。

こうして目には見えない海外の水に支えられているため、今年のように雨が少なくなければついつい水のありがたさを忘れてしまいます。目に見える日本の水、見えない海外の水、どちらも大切な地球の水であることに変わりはありません。まずは知ることから、目に見えない水のことも考えることから、取り組んでいけたらいいですね。