マイクロプラスチックとは、廃棄されたプラスチックの中でも、紫外線や海流、波によって直径が5ミリメートル以下になった細かいプラスチックのことです。
マイクロプラスチックの問題は、廃棄プラスチック問題の中でも深刻だとされています。
では、マイクロプラスチックの問題点や私たちができることは何なのでしょうか。
マイクロプラスチックの何がいけないの?
普通のプラスチックごみも問題視されていますが、マイクロプラスチックの問題が深刻だといわれているのには、主に3つの理由が挙げられています。
①分解までの期間が長い(もしくは分解されないまま海や空気中に漂っている)
②生物の体内に入り込みやすい
③有害物質を吸着しやすい
マイクロプラスチックを放っておくとどうなるのか
マイクロプラスチックは分解されないまま海や空気中に漂っていたり、日用品の中に含まれていたりするため、私たちは、知らずに体内にマイクロプラスチックを取り込んでいる可能性があります。また、マイクロプラスチック自体が生物の体外に排出されても、付着していた有害物質や化学物質は体内に残るともいわれています。
よく例に挙げられるのが、有害物質の付着したマイクロプラスチックを小魚が食べて、さらに大きな魚が小魚を食べて、どんどん体内(エラや内臓、筋肉)に有害物質が濃縮されるという「生物濃縮」です。そして、最終的には、私たちが生物濃縮された有害物質を摂取してしまうというものです。
マイクロプラスチックは、なぜ減らないの?
マイクロプラスチックが減らない主な原因は、やはりプラスチックごみが減らないことです。
①プラスチックのゴミの9割がリサイクルされていない
②1年間に800万トン以上のプラスチックごみが、海へ流れ込んでいる
③最近10年間のプラスチック生産量が、20世紀でのプラスチック使用量よりも多い
④プラスチックの50パーセントは、使い捨てである
私たちの生活内にもマイクロプラスチックが…
日常生活でプラスチックごみを出さないように、エコバックを持ったり、ごみの分別に気を付けていたりするという方もいると思います。
しかし、マイクロプラスチックは、想像以上に私たちの生活用品の中に多く含まれています。
例えば、歯磨き粉や角質を除去するスクラブ洗顔、ボディーソープの中に含まれているポリエチレンやポリプロピレン、エチレンといった合成化学物質が、それにあたります。また、フリースを洗濯したり、メラミンスポンジで掃除をしたりするだけでも、排水溝からマイクロプラスチックを流してしまいます。
私たちにできることはなに??
まずは、プラスチックごみを出さないことです。
そして、「簡単で便利だから」と普段何気なく使っている日用品にどんな成分が含まれているのか等を購入時に確認して、可能な限り、天然素材のものを選ぶようにしましょう。
①使い捨てのプラスチック製品を使用しない(使用量を減らす)
例:水筒や箸を持ち歩く
プラスチックフリーの包装を選ぶ
②プラスチックの材料が含まれない製品を使う
例:天然の生地や繊維のものを選ぶ