骨の健康を保つために

 骨は、肌や髪のように直接見えない分、弱くなっているなどの変化を実感できないものです。

骨の老化の代表的な疾患と言えば、骨粗しょう症です。

骨の老化は20代から始まっていると言われています。

年を重ねてもしっかりと動けるように、早めに骨の健康対策をしてみませんか。

骨の構造と働き

 骨は、外側の皮質骨(ひしつこつ)と呼ばれる硬い部分と、内側の海綿骨(かいめんこつ)と呼ばれ骨梁(こつりょう)が網目状にはりめぐらされている部分から成りたっています。

骨格として体を支える働きや、カルシウムなどのミネラルの貯蔵庫としての働き、他にも骨梁のすき間にある骨髄では血液を作る役割があることが知られています。

骨の老化とは

 骨量は成長と共に増えていき、20歳代でピークを迎えます。
40歳代くらいまでは維持していますが、それ以降は年齢とともに減少していきます。

 また、骨は日々新しく作り直されています。
リモデリングと呼ばれ、骨を壊す役割を持った破骨細胞が働き、その後、骨を作る役割を持った骨芽細胞が新しい骨組織を作り、修復されます。
1年間に20~30%の骨が新しい骨に入れ替わっています。
 女性の場合は、女性ホルモンのエストロゲンの低下により、閉経後に骨量が急速に減少します。
男性も含め、年を重ねるにつれて食事の摂取量が減少し、消化器官の働きが落ちることで、腸から吸収されるカルシウムの量も低下します。

骨密度の検査を受けましょう!

 骨量が一定量(20.44歳成人の骨量平均値の70%)を下回ると、骨粗しょう症と見なされます。
骨の老化に自覚症状はほとんどありません。
骨粗しょう症の早期発見や、自分の骨の状態を把握しておくためにも、40歳を過ぎたら骨の検診を受けましょう。

骨の老化を防ぐ食事

 カルシウムが不足しないように心がけながら、1日3回、栄養バランスのとれた食事を規則正しく取ることが大切です。
カルシウムが豊富な食材には、小魚や納豆、豆腐などの大豆製品、乳製品、小松菜などの青菜類があります。
また、効率よくカルシウムが吸収されるようにビタミンD(鮭やイワシ、サバなどの青魚やしいたけなどきのこ類に含まれる)や、骨の形成に欠かせないビタミンK(緑黄色野菜や納豆やチーズ、ヨーグルトなどの発酵食品に含まれる)も必要です。

骨を鍛える

 体重など適度な負荷をかける運動をして骨を刺激することで、骨の強さは維持されます。
反対に、体を動かさないでいると骨からカルシウムが溶け出しやすくなり、骨は弱くなってしまいます。

★どこでも簡単にできる、かかとをストンと床に落とす体操がおススメです。

①背筋を伸ばしまっすぐ立ち、両足のかかとをできるだけ上げてつま先立ちをします。

②両足のかかとをストンと落します。

 1日に30回程度、毎日行いましょう。

 ウォーキングや自転車こぎ、買い物や家事など、日常の動作の中で体を動かすことも有効です。

 また、喫煙や過度のアルコール摂取は骨の栄養に欠かせないビタミン類を破壊し、骨密度を低下させる要因になります。
肥満も骨に大きな負担となり、運動不足にもなりやすいので、骨の老化を早めるといわれています。

日々の生活習慣を見直してみませんか?