第16回愛媛県薬剤師会学術大会に参加しました

2月17日に開催された愛媛県学術大会に参加してきました。

まず、独立行政法人国立病院機構四国がんセンターの仁科智裕先生から「がんゲノム医療~がん患者に最適の治療を」と題した講演がありました。
がんゲノム医療とは、患者さんの体内にあるがん細胞の遺伝子を調べ、その遺伝子異常に基づいて効率的・効果的にがんの診断・治療を行う医療のことです。
詳細な病気の診断・最適な治療方針の決定・薬の副作用回避・正確な予後の推定などがもたらされると言われており、一部の臓器のがんに対しては遺伝子異常に基づいた個別化治療がすでに導入されています。国のがん対策推進基本計画でもがんゲノム医療は取り上げられており、医療提供のための体制づくり・人材育成が進められています。

全国に11か所あるがんゲノム医療中核病院の連携病院として、県内では四国がんセンターと愛媛大学医学部附属病院があります。がんセンターでは昨年9月にがんゲノム医療外来が開設され、がん遺伝子検査を受けることができます(検査の種類によっては高度先進医療や自費診療となります)。遺伝子の異常を調べることで「最適な医療が見つかる」と期待されていますが、今の段階では適した薬剤を目的とする臓器に用いる保険承認が下りず、治療につながらないことも多いそうです。しかし、一部は治験や自由診療の形で治療が可能で、平成30年度は138の課題について治療を行っているとのことです。

また「在宅業務における情報共有とICTの活用」と題した発表を松田恵理薬剤師が行いました。

高齢になっても住み慣れた地域で自分らしい生活を続けられることを目指す「地域包括ケアシステム」を円滑に進めるためには医療・介護・福祉など様々な職種の方との連携が重要なのですが、情報共有の方法に課題がありました。その中で、メーリングリストを用いたことで医師・薬剤師・訪問看護師・ケアマネージャーとの迅速な情報共有が行われ、チーム一丸となって支援を行い、本人や家族が安心して治療を続けられた事例や、社内での情報共有のために業務改善アプリを用いて取り組んでいることを報告しました。

平野薬局では、職員同士の連携だけでなく様々な職種の方々とのつながりを持ち、患者さんやご家族が安心し納得できる治療を行うためのお手伝いをしていきたいと考えています。