子どもに多い感染症

新入園・入学などで生活環境の変化や集団生活が始まると、ウイルスや細菌による流行りの感染症にかかりやすくなります。
季節ごとに子どもがかかりやすい感染症についてまとめてみました。
・風邪症候群・・通年
いわゆる風邪です。急に始まり、主な症状として喉の痛み・鼻水・発熱。80%以上はウイルス性
ですが、ほとんど軽症です。
・麻しん(はしか)・・通年。3月~8月に多い
高熱と頭頚部から全身に広がる赤い発疹が特徴。感染力がとても強く、免疫がなければ大人でも感染します。肺炎・脳炎など合併症も多く、患者1000人に1人の割合で死亡する可能性があります。
・風疹(三日はしか)・・通年。3月~7月上旬に多
最初は風邪のような症状があり、発熱・リンパ節の腫れ、赤い発疹が出て3日ほどで治ります。免疫のない妊婦が感染すると、胎児に感染して先天性風疹症候群を引き起こす場合もあります。
・みずぼうそう(水痘)・・通年。12月~7月に多い
発熱、全身の水疱や発疹が特徴。9歳以下の子どもの発症がほとんどで軽症が多いですが、15歳以上、特に成人では重症化しやすいです。
・おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)・・3月~8月にかけて
発熱や耳下腺が腫れます。3~6歳くらいの子どもに多い病気で、ほとんどが軽症ですが軽度の髄膜炎の合併が10%くらいあります。
・ヘルパンギーナ・・6月~7月
ウイルスなどによる夏風邪の一種。1~4歳の乳幼児がかかりやすい病気です。高熱が出て、のどに水疱ができ痛みます。
・手足口病・・6月~8月。7月下旬がピーク
口の中や手足に直径2-3mmの水疱性の発疹が出ます。発熱する人もいますが、ほとんどの人はあまり熱は上がりません。乳幼児に多い夏風邪の一種です。
・プール熱(咽頭結膜熱)・・6月から流行りはじめ、7月~8月がピーク
アデノウイルスが原因の夏風邪の一種。主な症状は発熱、喉の痛み、目の充血、目やにです。プールの水を介しての感染が多いことからプール熱と呼ばれています。
・りんご病(伝染性紅斑)・・通年。7月上旬ピーク
5~9歳の幼児がかかりやすい病気で、主な症状は両方の頬に赤い発疹(紅斑)、手足にレース状の発疹、微熱。りんごのように頬が真っ赤になるのが名前の由来です。
・RSウイルス感染症・・秋から冬
乳幼児を中心にかかる冬の風邪。年長や成人は軽い風邪で済むことが多いですが、赤ちゃんは呼吸器に感染して重症化するおそれもあるので注意が必要です。
・感染性胃腸炎・・O-157やサルモネラ菌は夏、ノロ・ロタウイルスは冬が多い
O-157、サルモネラなどの細菌、ノロ・ロタウイルスなどのウイルスが原因。主な症状は嘔吐、下痢、血便で、病原体によって症状も変わります。
・インフルエンザ・・12月~3月ごろ
主な症状は悪寒、頭痛、高熱。感染力が強いので流行しやすいですが、インフルエンザワクチンを接種することで重症化のリスクが抑えられます。
・溶連菌感染症・・12月~7月上旬
主な症状は、発熱、喉の痛みや嘔吐、舌の発疹。発疹は舌にイチゴのようなぶつぶつができます。十分な抗菌薬の投与による治療を行わないと、リウマチ熱や急性糸球体腎炎などを引き起こすことがあります。
・突発性発疹・・通年
突然高熱が出て、熱が下がる頃に赤い発疹が出ます。6~18カ月の乳幼児がかかることが多く、熱が下がったあと不機嫌になる子もいます。
感染症予防のために・・
・手洗い・うがいを徹底する。
・予防接種:定期接種と任意接種があります。
・家の中の換気をこまめに行う。
・湿度管理(40%~60%を目安に)
ワクチンで予防できる感染症は、流行する季節に注意し、接種時期になったらできるだけ早いうちに予防接種を受けておきましょう。
集団生活が始まったら子どもの体調を十分観察し、気になる症状があればかかりつけ医にご相談ください。