男性の頻尿

 「尿が近い、尿の回数が多い」という症状を頻尿といいます。
一般的には、朝起きてから就寝までの排尿回数が8回以上の場合を頻尿といいます。男性は加齢とともに前立腺が肥大し、膀胱や尿道を圧迫するようになります。すると、「すぐにトイレに行きたくなる」「尿がすぐに出ない」「残尿感がある」といった現象が起きやすくなります。
 前立腺が肥大している人には、膀胱が過剰に活動しているケース(過活動膀胱)が多くみられます。過活動膀胱では、膀胱に尿がたくさんたまっているわけではないのに膀胱が過敏になり、強い尿意を感じ頻繁にトイレに行きたくなります。
 また、前立腺肥大により排尿がスムーズにできなくなり、膀胱に尿が残ったまま排尿を終えた結果、次に尿意をもよおすまでの時間が短くなることでも、頻尿を招きます。
 悩んでいたり、寝不足になったり、日常生活に著しい不便を感じている場合は受診をおすすめします。排尿時の痛み、尿がとても出にくい、尿の量が異常に少ない、または多い、尿の色が変わった、悪臭がするなどの場合は、病気が潜んでいる可能性も考えられるので、早めに病院へ行きましょう。
*男性の尿のトラブルに役立つ5つのセルフケア*
1.男性も骨盤底筋をキュキュッ!とトレーニング
 男性も女性と同じように加齢に伴って骨盤底筋がゆるみます。そこで、朝起きたときやテレビを見るときなどに、意識して骨盤底筋を鍛えましょう。
「骨盤底筋ってどこにあるの?」という人は、肛門を締めてみてください。または、便を切るようにして力を入れると認識できます。
2.食事の内容や水分の摂り方に注意して前立腺を健やかに
 前立腺肥大は、高脂肪・高たんぱくの食生活の人に多いとされています。野菜や海藻、きのこ類、豆腐などを意識して摂りましょう。アルコールや刺激物は前立腺をうっ血させる原因になるので、控えめにしましょう。
寝る前の水分摂取で夜中のトイレの回数が増えてしまいます。寝る3時間くらい前までに摂取するとよいでしょう。体を冷やさないよう、お湯か常温の水がおすすめです。
3.下半身を温めて頻尿や尿意を招く冷えを防ぐ
 体の冷えは、トイレの回数が増えたり、急な尿意をもよおしたりする原因です。保温性の高い下着や使い捨てカイロ、レッグウォーマーなどで下半身を温めましょう。
4.男性の便秘も前立腺や膀胱に悪影響
 実は年齢を重ねるとともに便秘に悩む男性が増加します。
便秘になると、直腸にたまった便が、前立腺をはじめ膀胱や尿道を圧迫します。また、排便時の“いきみ”も負担を与えます。便秘改善も行いましょう。
5.排尿後のポタポタが気になる人は骨盤底筋を意識するとすっきり!
 トイレに行って尿を出し終えた後も、しっかり出し切れておらず、「ちょっぴりもれている」「下着やズボンにシミがついてしまう」という人におすすめの対策があります。
まず、排尿するときは、ズボンや下着をきちんと下げること。
次に、尿道が高めにならないようしっかり下を向けて排尿すると、尿が出やすくなる場合があります。
排尿した後は、下着を上げる前に、骨盤底筋を意識してキュッと締めてみてください。また、睾丸の後ろを押し上げるようにするのも効果的です。
ちょっとした工夫やセルフケアで、これからの毎日を明るく快適に過ごしましょう。