水 痘(みずぼうそう)

水痘とは、いわゆる「みずぼうそう」のことで、水痘・帯状疱疹ウイルスというウイルスによって引き起こされる病気です。
ワクチンの定期接種化によって幼児の発症は減少していますが、定期接種の対象年齢外の世代や成人の発症が増えていて注意が必要です。
成人の水痘は、重症化するリスクが高いとも言われています。一年中いつでも発症する可能性がありますが、特に冬から春にかけての時期に多く見られます。
症状や経過
2~3週間の潜伏期間の後に、熱が出て、赤い発疹が出てきます。その後水を含んだような水疱になって、顔、体、頭の中など全身に広がります。
発疹は2~3日でピークとなり、その後乾いて黒いかさぶたになります。かゆみや痛みを伴うこともあります。
平均して1週間ぐらいでよくなります。熱は出ない場合もあれば、高熱が続く場合もあります。
妊娠中に感染した場合は子どもに影響が!
妊婦が初感染すると、妊娠早期であれば流産、中期以降であれば赤ちゃんに先天異常が起こることがあります。また、分娩1週間前の感染によって新生児も水痘に感染し、命の危険があることもあります。
妊娠する可能性がある場合は、抗体検査を行って免疫がなければ予防接種を受けておきましょう。
ワクチン接種で予防しましょう
他の人にうつる可能性があるのは、発疹があらわれる1~2日前から発疹が乾燥してかさぶたになるまでです。
水痘に感染した人の咳やくしゃみをした時の飛沫を吸い込む「飛沫感染」や、空気中に漂うウイルスを吸い込む「空気感染」、ウイルスが手についた状態で鼻や口を触ることによる「接触感染」などの感染経路があります。感染力も非常に強いため注意が必要です。
また、帯状疱疹にかかっている大人から感染して「水痘」を発症することもあります。
空気感染は防ぎにくいため、予防接種を受けて感染のリスクを下げておくとよいでしょう。
水痘ワクチン(2014年10月から定期接種)は、1歳すぐで1回目、接種後3か月たったら2回目を接種します。定期接種になる前の年代の子どもたちも、水痘にかかっていなければ2回の接種を受けることをおすすめします。多くの場合、接種しないで自然感染するよりも軽くすみ、水疱のあとも残りにくくなります。
治療は
多くは自然に治りますが、症状に応じてかゆみ止めの塗り薬や飲み薬、ウイルスの増加を防ぐために抗ウイルス薬が使われることもあります。
自宅でできること
・水疱をひっかいてしまわないよう爪は短くしておきましょう。赤ちゃんなら手袋をするのもよいでしょう。また冷やすことでかゆみがおさまることがあります。
・食事:口の中に水疱ができると痛いので、しみるような食べもの(塩辛いものやすっぱいもの)は嫌がることがあります。食べやすいものを選んであげましょう。
入浴:お風呂の水を介して感染が広がる可能性があるため、シャワーでさっと汗を流して体を清潔に保ちましょう。
・自身やお子さんが感染した場合、周りとの接触を控え、マスクをするなどの配慮を行いましょう。
・コロナウイルス感染予防対策と同様に手洗い、うがい、消毒、換気などを行いましょう。