夏場も注意!脳梗塞

        • 脳卒中(脳血管障害)は寒い冬場に多いというイメージがありますが、実はこれからの暑い季節に
          も注意が必要です。脳卒中は、血管が詰まる「脳梗塞」と、血管が破れる「脳出血」「クモ膜下出血」に分けられます。これらのうち「脳梗塞」の発症率が高いのですが、その中でも脳の血管の動脈硬化を原因とするタイプの脳梗塞は、暑い季節に脱水状態から発症しやすいことがわかっています。
          脳梗塞が夏にも多いのはなぜ?
           
          夏場は、汗をかいたり、気づかないうちに体内の水分が不足しがちです。脱水状態になると、体の中の血液はドロドロになり、血栓ができやすくなります。また、水分不足により体内を循環する血液量も減少してスムーズに流れにくくなります。
          脳梗塞は血圧とも関係しています。寒さで血圧が上がりやすい冬とは逆に、夏は体の熱を放出しようと末梢血管が拡張するので血圧が低下しがちです。血圧が下がることで、血流が遅くなり血栓ができやすくなってしまいます。
          もしかして脳卒中? FAST
           
          FASTとは、脳卒中を強く疑うべき三つの症状である、顔の麻痺(Face)・腕の麻痺(Arm)・ことばの障害(Speech)と、発症時刻(Time)の頭文字を組み合わせたものです。
          三つの症状から脳卒中を疑ったら、すぐに救急車を呼んで受診するよう呼びかけるスローガンです。(※国立循環器病研究センターより)
          顔の麻痺:顔の片側が下がる。ゆがみがある。上手く笑顔が作れますか?
          腕の麻痺:片側に力が入らない。両腕を水平に保てますか?
          ことばの障害:ことばが出てこない。ろれつが回らない。いつも通りしゃべれますか?
          一つでも症状がでていたら、脳梗塞の可能性が高く、治療の遅れは命にかかわるのですぐに119番に電話してください。
          夏場の脳梗塞予防のために
           
          ★こまめに水分補給をする。
          水分を摂っても体全体に行き渡るには15~20分程度かかります。特に高齢の方は、のどの渇きを感じにくくなっています。食事の後、入浴前後など時間を決めてこまめな水分補給を心がけましょう
          夏場の脳梗塞は睡眠中から起床後の時間帯にかけて発症のリスクが高くなります。就寝前と起床後にコップ一杯ずつの水を飲むようにしましょう。脳梗塞だけでなく熱中症の予防にもなります。
          ★アルコールは飲みすぎ注意
          夏場に冷たいビールを楽しむという方も多いかもしれません。アルコール類には利尿作用があるため、摂った水分も尿となって排出されてしまいます。アルコールを飲む時は、飲みすぎに気を付けると同時に、水も飲む習慣をつけるようにしましょう
          ★生活習慣の改善
          脳梗塞の発症は加齢や生活習慣と深くかかわっています。脳梗塞の三大危険因子といわれる「高血圧・高血糖・脂質異常」の予防・改善には、食事や運動、喫煙、飲酒など生活習慣の改善が大変重要です。塩分や脂質、エネルギーをとり過ぎない、運動を日常生活に取り入れる、禁煙する、お酒は飲みすぎないなど、生活習慣を改善することが、脳梗塞、そして生活習慣病全般の予防・改善につながります。