女性の尿もれと尿もれ対策

くしゃみや咳をしたら下着を濡らしてしまった、トイレに行ったのに間に合わなかったなど、40歳以上の女性の約3人に1人がこういった経験をしているといわれています。1人で悩んでいたり、病院への受診をためらっていたりという方も多いようです。年齢とともに多くなる尿もれですが、20代、30代の方でも決して少なくありません。尿もれの基礎知識を正しく知って、今すぐできる尿もれ対策をしてみませんか。

尿もれの種類
尿もれには種類があり、対処法や治療法が異なります。主に下記の2タイプに分けられます。また、2つのタイプの混合型もみられます。
【切迫性尿失禁】
急に尿意をもよおしてトイレに間に合わずもれてしまいます。排尿は脳と膀胱が連携することで行われていますが、膀胱が勝手に収縮してたびたび尿意を感じるような「過活動膀胱」という状態から急な尿意や排尿を我慢できなくなります。加齢とともに増えてきます。
治療は、薬物療法と水分摂取などの調節、排尿を少し我慢して尿をためるようにする膀胱訓練、骨盤底筋トレーニングも効果的です。
【腹圧性尿失禁】
咳やくしゃみ、立ち上がるなどお腹に力が入ったときに尿もれが起こります。女性の尿失禁の中で最も多く、骨盤底筋が緩んでくることが、腹圧性尿失禁の主要な原因です。
骨盤底筋とは、骨盤の中に並んでいる膀胱や子宮、直腸などの臓器をハンモックのように支えている筋肉です。この筋肉は尿道や肛門を締める役割も果たすため、弱ると尿もれを起こしやすい状態になります。出産で骨盤底筋が緩むため40代以降の出産経験がある女性に多くみられますが、加齢
や肥満によっても緩んで尿もれを起こすこともあります。
治療は、原因となっている緩んだ骨盤底筋を鍛えるトレーニングです。それでも改善しない場合は、骨盤内にテープを入れて尿道を支えるような手術を検討します。

 

骨盤底筋トレーニング

弱った骨盤底筋を鍛え、筋力をつけることで、臓器が下がるのを防ぎます。また、肛門や腟を締める訓練をすることで、尿道を締めることができ、尿もれの症状を改善できます。
《方法》
1.膣や肛門の筋肉を10秒ほど引き締めます。
2.緩めて10秒ほどリラックスします。
3.1~2のセットを10回ほど繰り返します。
あお向けに寝たり、椅子に座ったり、立ったりなど様々な姿勢で行えるので、家事や歯磨きをしながらなど日常生活に取り入れて毎日続けてみてください。
もしも骨盤底筋トレーニングを3カ月続けても悩みが解消されない場合は、泌尿器科などを受診するようにしましょう。