インフルエンザワクチンを受けましょう

 例年になく早く、夏から流行が拡大している季節性インフルエンザ
多くの医療機関では10月からインフルエンザワクチンの接種が始まっていますが、
今年は「接種前に感染してしまった」という人も少なくありません。
新型コロナウイルスが流行し、感染症対策を行っていた影響もあってか、
2020/21年~2021/22年のシーズンの国内のインフルエンザウイルスの流行は、例年と比べて大変小さいものでした。
しかし、2022/23年のシーズンは、新型コロナウイルスの流行以前よりは小さい流行が見られました。

 2023年4月末で水際対策が終了し、国際的な人の往来も再び活発になり、猛暑や台風などによる換気の悪い環境や、
それに加えてこの2年あまりの流行が無い状況での人々のインフルエンザに対する免疫の低下が感染拡大の原因と考えられています。

 インフルエンザワクチンの予防効果は世界的にも認められています。
またインフルエンザ感染後でもワクチンを受けることで他の株に対応ができ、
ブースターとして免疫力を高めインフルエンザ予防効果が上がると考えられます。
過去2シーズン流行がなかったので、できるだけ皆さんに受けていただくのがよいと思います。

 

ワクチンの効果発現まで

イギリスNHS、アメリカCDCでも
インフルエンザワクチンを受けてから最大14日の間は、有効性が発揮する前にインフルエンザにかかる可能性がある
としています。
これはインフルエンザワクチンにより誘導される免疫システムが完全に構築されるまでに時間がかかるためです。
そのため、冬場のインフルエンザの流行期よりも少し前に接種した方がよいでしょう。
(参照:CDC「What is a fluvaccine?」)(参照:NHS「Flu vaccine」)

 

ワクチンの効果はそれなりに持続するが、ゆっくりと減少

一般的に「ワクチンの有効性はワクチン接種後少なくとも5~6か月は持続する」と考えられています。
65歳以上の方を対象にした、2014年に行われた分析からは、
「0~180日の間に54%~67%の有効性が認められたものの、181日目から365日目までの有効性ははっきりしない」
と報告されました。
ただし5~6か月の間、一律に効果があるわけではありません。

 ワクチンの供給量は例年以上となる見込みのため、子どもや高齢者、基礎疾患がある人など重症化のリスクが高い人だけでなく、
リスクが低い人も含めてより積極的に接種が勧められます
ただ、病院の発熱外来には多くの患者が訪れ、今もインフルエンザを含めさまざまな感染症が流行中で、
今後も発熱外来に対応する人手を確保するために今年のインフルエンザワクチンの予約枠を去年より絞らざるをえない医院もあるそうです。
重症化リスクのある子どもや高齢者は接種を検討してもらい、予約を早めにとる事をお勧めします。