乳がんの自己検診法

1/16・・・これっていったい何の数字?
これは、乳がんにかかる人の割合。あなたも16人の女性のうちの1人です。
しかも、世界中で患者が増加傾向にあり、日本でも毎年約5万人が新たに乳がんにかかっています。特に30歳代後半から死亡率が上がり、40歳代でピークとなります。
しかし、欧米では、かかる人は増加しているものの、検診による早期発見の成果によって死亡率は減少しています。
まずは見つけること。
そのためにも、見つけるための定期検診、そして自己検診が大切です。あなたを乳がんから救えるのはあなた自身なのです。
「乳がん」ってどんな病気?
乳がんは乳腺にできる悪性腫瘍です。初期は乳腺にとどまっていますが、乳腺の外まで拡がると、血液の流れにのって他の臓器や骨などの乳房から離れた部位にまで及びます。
何が原因?
乳がんはホルモンバランスの乱れが原因といわれ、その発症には女性ホルモンであるエストロゲンが関係しています。エストロゲンは生理の終わり頃から排卵前にかけて多く分泌され、エストロゲンにさらされる期間が長いほど乳がんにかかりやすいといわれます。
また、ほとんどの乳がんは遺伝する病気ではありませんが、特定の遺伝子に異常を持つ人はかかりやすくなります。血縁者に乳がんにかかった人が多くいる場合は、専門医に相談してください。
乳がんの高危険因子としては次のものが挙げられます。
あくまでも因子であって、それらに該当する人が必ず乳がんになったり、該当しない人が乳がんにならないということではありません。
・初潮が早く(11歳以下)、閉経が遅い(55歳以上)人
・初産年齢が遅い(30歳以上)、または出産経験のない人
・閉経後で肥満が認められる人
・乳腺疾患にかかったことがある人
・乳がんにかかった人(反対側の乳がん)
・乳がんにかかった家族(祖母・母・姉妹)がいる人
大切なのは自己検診
現在、明確な乳がんの予防法は残念ながらありません。早期発見・早期治療がとても重要となります。そのために、自分でできる正しいセルフチェックを習慣にしましょう。
乳がんは自分で発見できる数少ないがんです。
早期発見のため月1回の自己検診を行いましょう。
乳がんのできやすいところ
乳房の外側の上方がいちばん多く、次いで内側の上方、外側の下方、乳首付近、内側の下方の順になっています。
乳がんの自己検診方法
情報:2009年7月(財)日本対がん協会情報:2009年7月(財)日本対がん協会
出典:聖マリアンナ医科大乳腺・内分泌外科データ
乳がんは乳房の中に、固くて痛みのない小さなシコリができます。このシコリがあるかどうか、自分で調べるのが「自己検診法」です。
毎月、月経終了の1週間後ぐらいに、また、閉経した人は毎月、日を決めて調べましょう。
毎月実行しましょう!!
①まず両腕を下げたまま、左右の乳房や乳首の形をおぼえておきます。
②両腕を上げて正面、側面、斜めを鏡に映し、次のことを調べます。
A.乳房のどこかにくぼみやひきつれたところはないか。
B.乳首がへこんだり、湿疹のようなただれができていないか。
③あおむけに寝て、右の乳房を調べるときは右肩の下に座布団か薄い枕を敷き、乳房が垂れず胸の上に平均に広がるようにします。
④乳房の内側半分を調べるには、右腕を頭の後方に上げ、左手の指の腹で、軽く圧迫して、まんべんなく触れてみます。

⑤外側半分を調べるには、右腕を自然の位置に下げ、やはり左手の指の腹で同じようにまんべんなく触れてみます。

⑥乳房を指先でつまむようにして調べると、異常がなくてもシコリのように感じますから、必ず指の腹で探ってください。

⑦右の乳房の検診が終わったら、左の乳房を同じ要領で検査します。
⑧左右の乳首を軽くつまみ、乳をしぼり出すようにして、血のような異常な液が出ないかを調べます。
毎日自己検診をしているうちに自分の乳房の普通の状態がわかり、異常を早く見つけられるようになります。少しでも異常があったら、ためらわず専門医の診察を受けましょう。