子宮頸がんワクチンの接種を逃した方へ~接種の機会が提供されます~

子宮頸がんとは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因と考えられている子宮の出口に近い部分にできるがんです。
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性的接触のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。
感染しても大部分は自然に治癒しますが、一部がん化することが問題となっています。
若い年齢層で発症する割合が高いがんでもあります。
患者さんは20歳代から増え始め、30歳代までにがんの治療で子宮を失ってしまう人が1年間に1000人います。
日本では毎年1.1万人の女性が子宮頸がんにかかり、約2900人の女性が亡くなっています。
《子宮頸がんで苦しまないために》
①子宮頸がん(HPV)ワクチンをうけよう→HPV感染を予防します
②子宮頸がん検診をうけよう→がんを早期発見し治療します。(20歳以上の方は2年に1回)
HPVワクチンは子宮頸がんの原因ウイルスの50~70%を防ぎます。
ただ、ワクチンで防げないHPV感染もあるため子宮頸がん検診を定期的に受診することが大切です。
《HPVキャッチアップ接種》
HPVワクチン接種後に報告された多様な症状等により、平成25年から令和3年まで個別の接種が一時取りやめられていましたが、令和3年11月の専門家の会議で安全性に特段の懸念が認められないと確認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められた事から、改めて接種機会が提供されることになりました。

平成9年度生まれ~平成19年度生まれまでの女性

○対象者:平成9年4月2日~平成18年4月1日生まれの女子
お住まいの市町村から予診票が送られてきます
○接種方法:住民票がある市町村からのお知らせをご覧下さい。過去に受けた接種回数や時期により、接種方法が異なる場合があります。
出来るだけ母子手帳を確認・持参して、市町村や医療機関に相談してください。公費対象ワクチンは2種類で、サーバリックス(2価)とガーダシル(4価)があります。同じワクチンで3回接種を受けます。ワクチンによって接種の間隔が多少異なります。ご注意ください。
○接種期間:令和7年3月31日まで
Q:定期接種対象年齢を過ぎても効果はありますか?
A:ヒトパピローマウイルス(HPV)は主に性的接触によって感染するウイルスなので、若い女性を中心に子宮頸がん予防としてワクチンの接種が行われています。
HPVは咽頭がんや陰茎がんの原因になることもあり、アメリカやイギリスでは男性にもワクチン接種が推奨されています。あまり知られていませんが、ワクチンは20~30歳代で接種しても効果が期待できます。
よく「性交経験がないうちに打つ」といわれるので、10代が対象というイメージが強いですが、経験があっても、先述したとおりウイルスのほとんどは自然と体外に排除されるため、現時点で感染していない可能性のほうが高いのです。
検診で感染していないことを確認した上で接種すれば、その後の感染を防げます。
ただし妊娠すると一度ワクチン接種を中断することになります。