ダメ。ゼッタイ。薬物乱用

日本の薬物事情

◆若者への大麻の広がりが深刻化
厚生労働省の発表によると、覚醒剤事犯の検挙人員は減少傾向にあるものの、依然として高い水準で推移しているようです。
また、大麻事犯の検挙人数は増加を続け、特に30歳未満の若者の間での増加が目立っています。
20代以下の3分の1以上がインターネット、特にコミュニティサイト(SNSなど)を通じて大麻を入手していました。インターネット以外の手段では、友人・知人からが全体で最も多くなっています。
SNS以外でも、オンラインゲームのチャット機能を利用した売買も増えています。
また、大麻の危険(有害)性の認識については、全年代の約8割が「全くない」「あまりない」と回答しています。
インターネット上などで、「大麻は無害」「依存性が少ない」「合法の国もあるから安全」といった誤った情報があふれているためと考えられ、大麻の乱用に対する罪悪感も薄れていることがうかがえます。

◆市販薬を含む医薬品乱用の割合が拡大
薬物使用がもとで、全国の精神科を受診した人を対象とした2022年の調査では、半数近くの人の受診理由の主な原因薬物が覚醒剤であったことが分かっています。
一方、市販薬を含む医薬品にも、依存性のある物質が含まれている場合があり、このような医薬品の乱用が原因で精神科を受診する人の割合も増えています。
前述の調査では、17.6%が
睡眠薬や抗不安薬(市販薬を除く)を乱用しており、市販薬の11.1%を含めると、全体の3分の1近くを医薬品が占めています。

 

市販されている医薬品でも乱用すれば危険

◆市販薬の乱用・依存の危険性
違法薬物だけではなく、ドラッグストアで気軽に購入できる市販薬や、医師から処方される薬も、乱用すると依存症などのリスクがあります。
年は、10代の若者が市販薬を乱用するケースが増えているという報告もあります。
市販薬の咳止めなどに含まれるコデインやジヒドロコデイン、デキストロメトルファンなどは大量に摂取すると眠気や疲労感がなくなり、頭がさえたような感覚になりますが、薬が切れると倦怠感や意欲減退などが出て、依存のリス
クがあります。
鎮痛薬に含まれるブロモバレリ
ル尿素は、大量に摂取すると意識障害や呼吸抑制などを引き起こす恐れがあります。
乱用されると危険な成分を含む医薬品の販売者には、購入者が若年者の場合は氏名や年齢を確認すること、購入者の他店での購入状況や購入理由を確認すること、販売数を制限することなどが求められています。

医薬品も用法・用量を守らず乱用すれば有害であり、依存症にもなり得ます。
どんな
薬でも乱用は危険であると知っておきましょう。