心臓病から身を守る

現在、日本人の死亡原因の第1位は「がん」、第2位は「心臓病」になっています。さらに愛媛県では心不全が原因で亡くなる人の割合が全国ワースト2位という状況です。
心臓病から身を守るために、病気の原因や予防するための生活習慣について紹介します。

心臓病を引き起こす危険因子は?

心臓病にもさまざまな病気がありますが、代表的なものは狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患と呼ばれるものです。心臓のまわりを通っている冠動脈という血管が狭まったり、閉じたりして心臓へ十分な血液が供給されなくなる病気です。
虚血性心疾患の主な発症原因は、動脈硬化です。動脈硬化を引き起こす危険因子としては、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満、喫煙、運動不足、ストレスなどがあげられます。
これらの項目は生活習慣が大きく関わっています。つまり、努力によって予防・改善できるということです。
すでに何らかの危険因子がある方は、今日からでも生活習慣を改善していきましょう。

危険因子を作らない・減らすための生活習慣の改善方法

★食事を見直す
食事において特に注意することは、「塩分や糖質、脂肪分を摂りすぎないこと」と「食べ過ぎないこと」です。
塩分の摂りすぎは、血圧が上がって高血圧の原因となります。カップ麺、漬物、ウインナーなどの塩分の多い食品は減らす、麺類の汁は残すなどできることから減塩をしてみましょう。
糖質の摂りすぎは、糖尿病の原因となります。また、血液中に中性脂肪を増やして脂質異常症となるリスクもあります。アルコールや甘いものは控えめにしましょう。
脂肪分の摂りすぎは、脂質異常症の原因となります。肉・乳製品の摂取を抑え、 LDLコレステロール値を低下させる働きがある魚・野菜の摂取を増やしましょう。
食べ過ぎは肥満のもとなので、腹八分目になるよう心がけましょう。
★禁煙する
タバコは、動脈硬化の大きな危険因子です。
喫煙により血管が収縮し、血液の流れが悪くなり、血液が凝固しやすくなります。徐々に本数を減らしてみる、禁煙外来へ受診をするなど、禁煙に向けた行動を起こすことが重要です。
★運動する
散歩・ジョギング・ラジオ体操・自転車に乗るなどの軽い運動でもかまいません。
血液の流れを良くし、肥満防止につながるだけでなく、気分転換にもなります。自分の身体機能に応じて、運動を習慣化することを意識しながら取り組みましょう。
★ストレスを避ける
精神的ストレスは高血圧の原因になります。
また、ストレスによって、生活が不規則になったり暴飲暴食に走ったりして、生活習慣に影響を及ぼすこともあります。
ストレス因子から離れる、気分転換をするなどして、ストレスをため込まないようにしましょう。
まずは睡眠をしっかりとることをお勧めします。

リスクの早期発見のためには、定期的な健診が有効です

そもそも危険因子の有無やその進行度についての判定は、検査を受けないと分かりません。
生活習慣病は、血圧測定や血液検査といった一般的な検査で診断できます。健康診断で異常を指摘されたなどすでに生活習慣病の心配がある場合、生活の見直しだけでは病気が改善しないかもしれません。
その場合は、医療機関に相談し、薬物治療を行うことを検討しましょう。
生活習慣の改善や薬物治療によって、危険因子の発生を防いだり進行を抑えたりすることができます。