気管支喘息

病    態

喘息は気管支が敏感になり狭くなる状態です。ゼーゼー・ヒューヒューといった喘鳴が出たり、激しい咳が出たり、呼吸が苦しくなったりします。
発作がない時にも気道の粘膜が炎症を起こしていて、少しの刺激でも気管支を取り囲む筋肉が収縮、空気の通り道である気道が狭くなりやすい状態となっています。
その他、胸の痛み・動悸・息切れ・空咳といった症状が起こることもあります。

原    因

ハウスダストやダニ、花粉といったアレルギー物質や、運動やタバコ、過労やストレス、天候や気温の変化、香水などの匂いによっても起こります。
また風邪などの感染症による炎症から、咳が長引いて咳喘息になったり、そのままさらに長引いて慢性化して喘息となる場合もあります。

症状が出やすいとき

喘息は季節の変わり目に症状が出やすくなります。これは寒暖差が気道の刺激となってしまうためです。冷たい空気を吸い込むと刺激となります。
天候の不安定なときも症状が出やすくなります。梅雨や秋雨、台風や寒冷前線の通過時は注意が必要です。気温が前日より5度以上変化する場合も要注意です。
また、冬場の乾燥も気道の粘膜が荒れる原因です。出来れば湿度が40%以上になるように加湿しましょう。
湿度が60%を超える場合はダニ等の繁殖によりアレルギー物質が増えることがあるので、梅雨時は除湿も取り入れましょう。

治    療

治療は発作が起こらないように継続的に治療する薬と、発作が起こった時に鎮める薬があります。
■継続的な治療
まずは毎日の長期的な治療薬で発作が起こらないように予防をしていきます。
気道の炎症を抑えることで、発作を起こりにくくします。発作を繰り返していくと気道の粘膜は徐々に厚くなっていき、元に戻らなくなっていくため、日々のコントロールが大切です。
気道の炎症を抑える吸入ステロイド薬や抗アレルギー薬、長時間作用して気管支を拡げる効果のある薬(吸入薬、テープ剤や内服薬)を使います。
■発作時の治療
発作時には気道が通常よりもさらに狭くなっているので、短時間で気管支を拡げる効果のある薬を使います。短期的にステロイドの内服薬を使う場合もあります。

完治はする?

喘息は治療法がどんどん確立されてきて、今では命にかかわることはほとんどありませんが、今の医療ではまだ完治というのは難しい病気です。
一見症状も出ず、治ったように思えても、またしばらくして症状が出たり、風邪をきっかけに発作が起こったりすることもあります。実際治療をやめると数か月で気道の過敏性も元に戻ってしまうようです。
しかし、適切な薬物治療と自己管理を継続することができれば、健康な人と変わらない生活を送ることができます。