尿路結石

体内のカルシウムなどの成分が固まって、体の中に石のようなものができることがあります。石ができるとその部分が痛むなどの症状がみられますが、体の中に石ができる病気の中で尿の通り道にできる「尿路結石」の治療や予防方法についてお伝えします。

どうしてできるの?
尿は腎臓でつくられ、尿管、膀胱、尿道を通って排泄されます。水分を控えたり、汗をたくさんかいたりして体内の水分が失われると尿が濃くなります。
尿が濃くなると、尿の通り道で尿の成分(シュウ酸やカルシウムなど)が結晶化して石のように固まった結石ができます。
症  状
結石が尿と一緒に押し出されて尿路を移動する時や、結石によって尿がせき止められ腎臓が腫れた時などに痛みが起こります。典型的な最初の症状はわき腹から下腹部にかけての突然の激痛です。痛みは2~3時間たつと治まりますが、繰り返し生じます。
結石が尿路をふさぐと腎臓がうまく働かなくなり、尿路を傷つけると血尿が見られます。
自覚症状がなく健康診断などで偶然に見つかることも多いです。
治  療
結石は小さくても真珠ほどの硬さがあり、人によっては1か月で 10㎜ほどの大きさになることもあります。結石が自然に排出されない時は、取り出す治療を行います。
結石が尿管にあって5㎜以下:尿の流れが良くなるようにしっかり水を飲んで、尿と一緒に排出されるのを待ちます。痛みが起こる場合は痛み止めを使用することもあります。
5㎜を超える:体外から結石に衝撃波を当てて細かく砕く治療を行います。結石が硬く治療が難しい場合は、尿道から内視鏡を入れてレーザーなどで砕いて取り出す方法もあります。
結石が腎臓にある場合:体外衝撃波砕石治療や内視鏡治療が選択されます。
尿路結石ができやすい人は予防を
日本では男性の約7人に1人、女性の約 15人に1人が経験し、5年で半数近くは再発するといわれていますので、予防対策がとても大切です。肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症などのメタボリックシンドロームがある人は、尿路結石の発症が多いことが知られています。また家族に経験をした人がいる場合はより注意しておきましょう。
★一日に2L以上を目安に水分を摂る
少量をこまめに飲むよりは一度に多めに飲む方が尿の流れが良くなります。アルコールや甘いジュースは水分補給に適していません。体内で結石のもとに変化するプリン体を含むアルコール飲料やビールは控えましょう。
※心臓病や透析をされている方など医師から水分を控えるように言われている場合は、指示に従ってください。
★夕食は寝る3時間前までに済ませる
食べてすぐに寝ると、睡眠中に尿が濃くなり結石ができやすいので、就寝前に1回排尿するようにしましょう。
★食事のとり方を工夫する
シュウ酸を含む食品(ほうれん草、タケノコ、ブロッコリー、紅茶、コーヒー、緑茶、チョコレートなど)は、カルシウムと一緒に摂ることで腸内でシュウ酸とカルシウムが結合し吸収されずに便として出ていきます。紅茶やコーヒーには牛乳を入れたり、ほうれん草のおひたしにはジャコを乗せたりすることも有効です。
野菜、穀物、海草やサバ、サンマ、イワシなどの青魚は尿路結石を抑制するといわれています。また、塩分や脂肪の摂り過ぎも結石の原因になるので注意しましょう。