アルコール依存症

コロナ禍で飲酒に関する悩みも増えている?
コロナ禍での生活様式や働き方の変化により不安やストレスが溜まっていたり、在宅時間が増えたりすることで、ついつい飲酒量が増え、それに伴いアルコール依存症の患者数も増加しているそうです。
患者数は、全国に100万人以上と言われており、習慣的に飲酒をする方であればどなたでもなり得る身近な病気です。
アルコール依存症とは
長い間、大量にお酒を飲み続けることによって進行し、自分の意思ではお酒の飲み方をコントロールできなくなる状態をいいます。
最初は、飲酒量の増加や、飲酒時の記憶がなくなるなどの症状がみられます。
さらに病気が進行すると、飲酒をコントロールできないような精神的な問題(精神依存)や、飲まないと手が震えたり汗をかいたりしてしまう離脱症状(身体依存)が見られるようになります。
また、事故死・自殺や、家庭や職場のトラブル、犯罪などにつながるケースもあり、社会的な問題を起こすことも少なくありません。
減酒治療
アルコール依存症治療の原則は、飲酒を完全に断つ「断酒」をすることですが、治療を中断してしまう人が多くいるのも事実です。
いきなり飲酒をやめることはできなくても減酒をする、もしくは、断酒の前の中間目標として飲酒量を減らす「減酒」治療が近年注目されています。
通院での治療が可能です。
飲酒量や服薬状況、健康状態、日常生活上の変化を確認しながら、目標とする飲酒量の達成、治療の継続を目指します。飲みたい気持ちを抑える「ナルメフェン」など減酒を補助する飲み薬などもあり、治療が始めやすくなっています。
こんな場合は飲酒習慣を見直しましょう!
家族から体の心配をされる
休肝日をつくれない
二日酔いで仕事などに支障がある
飲酒によって記憶をなくしてしまう
飲み始めたら止まらないなど
こういった状態から飲酒が原因で病気になる恐れもあります。
過度な飲酒が続くと、肝臓の障害や脳の萎縮、食道がんや大腸がんなどのリスクが高まることが知られています。体の問題だけではなく、うつ病などを引き起こすこともあります。
世界保健機関(WHO)によると、お酒によって200種類以上の健康問題、けが、病気が起こるとされています。
日本人の一日当たりの節度ある適度な飲酒量とは?
1日あたりアルコール20g程度とされています。ただし、女性や高齢者はこの半量程度とより少量にするのが望ましいとされています。
お酒には様々な種類があり度数も違いますが、20gとは「ビール中ビン1本」「日本酒1合」「チューハイ(7%)350mL缶1本」「ウィスキーダブル1杯」などに相当します。口当たりがよく、飲みやすいお酒は気が付かないうちに飲み過ぎてしまう危険があるので要注意です。
☆家での飲みすぎを防ぐコツ☆
度数を確認する 
 お酒を買うときにはアルコール度数の表示を確認し、できるだけ低いものを選びましょう。
少ない量で楽しむ
 先にノンアルコール飲料を飲んだり、ゆっくり時間をかけて飲むなど量を減らす工夫をしましょう。
リラックスできることを見つける
 料理や読書、運動などお酒を飲まなくてもリラックスできる方法を見つけて実践しましょう。
飲酒に関する困りごとがあれば、かかりつけ医や心療内科で相談することが大切です。