睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは?
睡眠時無呼吸症候群は、その名の通り眠っている間に呼吸が止まってしまう状態(無呼吸)が繰り返される病気です。
睡眠は本来、日中に活動した脳と身体を十分に休ませるためのもの。しかし、睡眠中に無呼吸が繰り返されると、身体の中の酸素が不足し、それを補うために身体は心拍数を上げます。脳も身体も断続的に覚醒した状態になり、気づかないうちに大きな負担がかかってしまうのです。
その結果、良質な睡眠がとれず、日中の活動性や労働の質、運転能力などが低下することはもちろん、高血圧や虚血性心疾患、糖尿病などの生活習慣病を高率に合併し、生命予後に影響を与えることが明らかになっています。
■あなたは大丈夫?セルフチェックしてみましょう!
Q1 毎晩、大きないびきをかきますか?
Q2「睡眠中に呼吸が止まっていた」と指摘されたことがありますか?
Q3 昼間、眠くなることがありますか?
Q4 朝起きたとき、寝たはずなのに疲れが残っている感じや頭重感・頭痛がありますか?
Q5 若い頃より体重が増えて、顔つきが変わったと言われますか?
Q6メタボリックシンドロームの傾向はありますか?
このセルフチェックは睡眠時無呼吸症候群を診断するものではありません。気になる症状がある場合には、医師にご相談いただくことをおすすめします。
診察・検査の流れ
まず、自覚症状についてなど問診を行います。
また、必要に応じてメモリー付きパルスオキシメータを用いて夜間睡眠時の酸素飽和度(SPO2)を記録するスクリーニング(ふるい分け)もしくは簡易検査を行います。簡易検査は、眠っている間の呼吸や血液中の酸素(濃度)の状態を測定します。操作・装着が簡単なので自宅で検査ができます。
さらに詳しく調べる必要がある場合には、精密検査を行います。
精密検査は、終夜睡眠ポリグラフ( PSG)検査といって、1~2泊ほど入院して脳波などのセンサーを装着して行うことで、睡眠の質や呼吸の状態をより詳しく測定していきます。調べる項目は簡易検査より増えますが、痛みを伴う検査ではありませんのでご安心ください。
治療の流れ
睡眠時無呼吸症候群の治療には、生活習慣に関する指導、内科的な治療、外科的な治療、歯科装具など、患者さんの状態に合わせてさまざまな方法があります。中等症以上の患者さんの場合は、内科的な治療である「 CPAP(シーパップ)」といわれる治療法を選択されます。
CPAPとは?
CPAPとは、就寝前に鼻にマスクを装着して、装置から空気を送り続けることで、気道を開存させて無呼吸を防ぐ治療法です。
治療に慣れるまでに時間のかかる方もいますが、定期的に外来受診をして、しっかりと治療ができているか確認しながら治療を続けていきます。国内では、50万人の方がCPAPで治療をされていて、珍しくない治療法です。
もしかして睡眠時無呼吸症候群かな?と思ったら、まずは、かかりつけの医師に相談しましょう。