青年期以降の歯の健康

いつまでもおいしいものを食べ続けるための元気な歯は、日々の手入れから。
平成元年より厚生労働省と日本歯科医師会が推進している8020運動。「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。
歯を失う原因で最も多いのが歯周病です。生活習慣病と言われるこの病気は、成人の80%以上がかかっています。8020を達成するために、歯磨きなど毎日の手入れで歯周病を予防していくことが重要
です。
毎日のお手入れセルフケアのポイント
歯と歯の間、歯周ポケットに届くよう歯ブラシの毛先を使い丁寧に磨いてください。さし歯や詰め物のある歯は、その周りがむし歯になりやすいので、毛先を当てて小刻みに磨くことが大切です。
◯歯間ブラシ
歯と歯の間にすき間ができるようになったら、歯間ブラシで清掃を。
ブラシを水平にして、ゆっくり前後に2~3回動かします。歯ぐきを傷つけないように注意してください。
◯歯の根が出ている部分の清掃
年齢とともに歯ぐきが退縮し、歯根が出てくることがあります。この部分はエナメル質よりもやわらかく、むし歯になりやすいので注意が必要です。毛先をしっかり当て、小刻みに動かしながら磨きましょう。
◯デンタルフロス
歯ブラシの毛先が届かない歯間部の清掃に使います。フロスの両端を指に巻きつけ、歯と歯の間に歯面にそって挿入します。歯の側面をこすりながら2.3回上下します。
〇フッ素配合のハミガキ剤を使う
フッ素はむし歯の予防を目的として配合されている薬効成分で、3つの効果があると言われています。
①歯質の強化:フッ素を歯に取り込んで歯の質を強くし、むし歯の原因菌に強く、酸に溶けにくい歯にします。
②再石灰化の促進:初期のむし歯の治癒を助けたり、歯から溶け出したカルシウムやリンがもう一度戻るように働きます。
③細菌の酸産生抑制:歯ブラシで落としきれなかったプラーク中に潜んでいるむし歯の原因菌の働きを弱め、酸が作られるのを抑えます。
フッ素濃度が高いほうが予防効果が高く、日本では1450ppmまでの商品が販売されています。500ppm未満の濃度のものでは有効性が明らかになっていません。
〇フッ素の効果が出る量をしっかり使う(2cmのヘッドで2/3以上)
ハミガキ剤が歯列全体にいきわたるように2分間以上ブラッシングする。
〇磨いた後のすすぎを少なくする
うがいをしすぎて、せっかく歯面に取り込まれたフッ素を洗い流してしまってはもったいない!ブクブクうがいでのすすぎは、少ない量の水で1、2回程度にしましょう。
〇ブラッシングは1日2回以上、そのうち1回は就寝前に
歯面に取り込まれたフッ素は、徐々に唾液に溶け出していきます。
フッ素は歯面に維持することが大切で、1日にブラッシングを2回以上することで効果が持続します。歯みがき後1~2時間は飲食を避けたほうが、フッ素を長時間口の中に留まらせることが出来るので効果的。
また、就寝中は唾液の分泌が低下するので、フッ素を長時間口の中に留まらせることができ効果的です。
8020運動に向け、かかりつけの歯科医院をもち、定期的に歯の状態もチェックしてもらいましょう。虫歯や歯周病は放置していてもよくなりません。早期に発見し、早期に治療することも大切です。