自分のこころのサインに気づくには

働く世代は、仕事や子育てなどのストレスを感じやすい世代でもあります。また、新型コロナウイルス感染症のまん延とその対策の影響を受けて、仕事や生活に不安やストレスを感じている方も少なくないと思います。不安やストレスと上手に付き合う方法についてのアドバイスをお届けします。
ストレスに気づこう
ストレスを過度にためず、適度なストレスとうまくつきあっていくコツのひとつは、「自分のストレスに気づく」ことです。
①ストレスのサイン
ストレスによる反応は、おおまかに心理面、身体面、行動面の3つに分けることができます。
心理面でのストレス反応には、やる気がでない、イライラ、不安、抑うつ(気分の落ち込み、興味・関心の低下)などがあります。
身体面でのストレス反応には、食欲低下、寝つきが悪い、朝早く目が覚めるなどの不眠、頭痛やめまい、動悸、腹痛、便秘や下痢などさまざまな症状があります。
また、行動面でのストレス反応には、周囲との交流をさける、飲酒、喫煙量の増加、欠勤や遅刻、仕事でのミスの増加などがあります。
このサインを放っておくと、ストレス性の疾患など治療が必要なレベルに移行する可能性もあります。自分や周りの方がサインに気づいたときは、早めに相談する、対処するなどの対応をとることが大切です。
②きっかけとなる出来事やストレスの原因
ストレスの原因になりやすい出来事の例として、自分や家族の病気やケガ、親しい人が亡くなった、子どもの進学、家庭内の人間関係トラブル、ローンや収入の減少などの金銭問題、引っ越しや騒音などの住環境の変化などがあります。
このほか、職場での仕事の量や質、勤務時間などの変化、仕事の失敗、職場の人間関係のトラブル、昇進や配置転換、転勤など。
こういった出来事が複数重なった場合や、長く続いた場合などにこころの不調につながることがあります。
ストレスと上手に付き合うポイント
心身が疲れ切ってしまってからでは、なかなか回復は難しいものです。日頃から「3つのR」を取り入れて、早めに対処しておくことがストレスが引き起こす病気の予防にもつながります。自分に合うストレス対処法を見つけて実践してみましょう。
★Rest(レスト):休息、休養、睡眠。
勤務や家事などと休憩時間のオンとオフの切り替えを意識して、休息をしっかり取ることが重要です。また、仕事中でも席を立って歩く、コーヒーを飲むなど、疲労が蓄積する前に意識して短い休憩を取ることも効果があります。
★Recreation(レクリエーション):運動や旅行、読書や料理、ガーデニングのような趣味・娯楽や気晴らし。
ストレスを発散させるため仕事と離れた趣味を持つことは大事です。自然を楽しむ機会を持ったり、仲間と身体を動かしたり、自分が楽しめるものを見つけましょう。
★Relax(リラックス):ストレッチ、瞑想や音楽、アロマセラピーなどのリラクゼーション。
呼吸を落ち着かせたり、筋肉の緊張を解くなどの精神を安定させるリラクゼーション方法を取り入れましょう。また、家族や親しい人たちと交流する時間をもち、緊張をときほぐす時間をもつことも大切です。不安や悩みなどを聴いてもらうだけでも気が楽になります。