便秘症について

日本における調査では、便秘は20.60歳では女性に多く、60歳以降では男女ともに加齢にともなって増加し、80歳以降では男女差はなくなります。
一般的に高齢になるほど男女とも便秘に悩む人が増えてきます。
便秘は「便が長い間でないことや回数が少ないこと」と捉えられがちです。
しかし、排便の間隔は個人差が大きく、3.4日に1回程度でも便が硬くなく、すっきりとした気持ちのよい排便があるならば、必ずしも便秘と捉える必要はありません。
逆に毎日排便があっても、
・便が硬い、またはコロコロ便
・強くいきまないと出ない、またはいきんでも排便できない
・排便時に苦痛がある
・排便後に便が残っている感じがする
・お腹が張る
・腹痛・下腹部の不快感
などの症状が長く続いて困ったり、日常生活に支障がある場合は、慢性的な便秘(慢性便秘症)の可能性があります。
便秘の原因
・日常の水分摂取量が少ない。
・日常の食物繊維摂取不足。
・運動不足による腸への刺激や筋力の低下。
・加齢による筋力の低下。
・大腸で過剰に水分が吸収され、便が硬くなる。
・大腸の動きが弱く、直腸まで便が運ばれにくい。
・便意を我慢する習慣により、直腸の排便反射が弱まる。
・過度な小食や、ダイエットなどによる食事制限。
・ストレスによる大腸蠕動(ぜんどう)運動の低下。
など様々な原因があります。
便秘の解消のための生活習慣の改善
・しっかり3食食べる。特に朝ごはんが大切です。
・食物繊維(豆類、根菜、いも類、きのこ類、海藻、雑穀、果物など)を意識して食べる。
・マグネシウムを多く含む食品(海藻、玄米、納豆、ナッツ類など)を意識して食べる。
・ヨーグルトや乳酸菌飲料で腸内細菌のバランスを整える。
・便意を我慢しない。
・無理のない適度な運動を続ける。
少しずつ適度な水分摂取をする。
・排便のリズムをつくるために規則正しい生活をする。
★便秘にはお腹のマッサージが効果的です
手のひらをあてておへその下から腸の形に沿って「の」の字を書くようにゆっくりと時計回りにお腹全体をマッサージします。
腸を刺激することで腸の蠕動運動が促進されます。
★腹式呼吸も効果的です
腹式呼吸は腹筋や横隔膜を動かして腹圧を高め、排便を助けます。
また、腹式呼吸は副交感神経を優位にします。副交感神経が優位になると腸の蠕動運動が活発となり排便を促します。
★排便時の姿勢も大切です
実は和式トイレの前かがみ姿勢は排便に理想的な姿勢です。
洋式トイレの場合は、前かがみになり、両肘をふとももの上に置き、背筋を伸ばして腹筋に力をいれます。足先は床につけてかかとを少しあげます。または足下に台をおいて足の位置を高くするのも効果的です。
この姿勢はロダンの「考える人」をイメージしてください。前かがみになることで、直腸と肛門の角度が広がって便が出しやすくなります。