愛媛県は心不全で苦しむ人の割合が日本一かもしれません

日本人の死亡原因は、がんに次いで心疾患が多く、愛媛県は心疾患の死亡率が全国第2位(2019年人口動態統計より)。心疾患の中で最も多いのが心不全ですが、心不全死亡率が女性全国1位、男性2位という状況(2015年)で、心不全に関わる対策が課題となっています。
愛媛県と愛媛大学、製薬会社のノバルティスファーマが昨年、「循環器病対策に関する産官学連携協定」を結び、3者が連携して循環器病の予防や啓発、医療サービス提供体制の充実、研究に取り組んでいます。
♥心不全とは
心不全は、心臓の機能が落ちて、十分な血液を全身に送り出せなくなった状態です。主な原因は狭心症や心筋梗塞などの心臓の病気や高血圧で、また高齢になると心臓の働きは低下してきます。
一旦症状が出ると悪化と回復を繰り返しながら少しずつ進行していくため、適切な治療を受けないでいると、最終的に生命を縮めてしまうことも多いです。
そのため、早期発見・早期治療がとても大切です。
♥心不全の主なサイン
心不全の初期の自覚症状として、階段を上がる時に息が切れる歩行時に同年代の人についていけない脚がむくむなどがあります。
その他に、体重増加食欲不振だるい疲れやすい低血圧手足が冷たいなどといった症状があらわれることもあります。
このような症状がみられる場合は、循環器内科やかかりつけ医に相談しましょう。
♥心不全を早期発見するための検査とは
まず心電図や胸部X線、次に血液検査や心臓超音波検査(心エコー)の検査を行うことが一般的です。CTやMRIでさらに詳しく調べることもあります。
胸部X線検査:心臓の形や大きさ、肺の状態などを調べます。
心電図検査:心臓の筋肉の厚さや心臓の異常の有無などを調べます。
心臓超音波検査(心エコー):心臓の拡張と収縮の状態を調べます。心不全の原因になった病気をつきとめたり、心不全の重症度や治療効果の判定にも役立ちます。
血液検査:心臓に負担がかかると分泌されるホルモンBNP(B型ナトリウム利尿ペプチド)などを測定します。
♥心不全を予防するには?
心臓の病気だけでなく、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病の治療をきちんと続けることが心不全の予防につながります。
また、喫煙、過度な飲酒を避けること、減塩、肥満の解消、適度な運動などの生活習慣の見直しや管理が大切です。