手指の痛みや腫れはありませんか?

手指は、字を書いたり箸や茶碗を持ったり日常生活に欠かせない働きをしています。指は関節が多く複雑な動きができる一方、持続的な動きや強い力で傷めやすく様々な障害が起きやすい部位です。
① 指の痛みがある時
〇ばね指(弾発指)
指の付け根に痛み・腫れ・熱感を感じます。朝方に症状が強く日中は軽減することもあります。手の使いすぎやスポーツ、指をよく使う仕事の人に多く、安静が一番です。
〇へバーデン結節
指の第一関節に痛み・腫れが生じる病気で、人差指から小指にかけての複数の指に起こります。原因は不明で、治療は主に保存的療法(湿布等の外用剤、テーピング固定等)で、まれに手術で結節を取り除くことがあります。
〇手根管症候群
初期には人差し指や中指に、進行すると親指に痺れや痛みが出ます。手首の内側で末梢神経が圧迫されて起こります。同じ動作の繰り返しが原因で、治療は安静が基本です。ビタミン剤や消炎鎮痛剤を内服することもあります。
〇舟状骨(しゅうじょうこつ)骨折
手首の親指側が腫れ、痛みがあります。初期には発見されにくく捻挫と思われ放置されがちです。なかなか治らず、手首の関節が変形、痛みが生じ、力が入らなくなることがあります。
② 指の腫れがある時
〇関節リウマチ
最初は両手足の指関節が対称的に腫れ、特に朝にはこわばります。関節だけの病気ではなく全身性です。治療は抗リウマチ剤と非ステロイド性消炎剤が基本です。
〇強皮症 
手指の腫れぼったい感じや強(こわ) ばりがあります。冷たい物にさわると手指が蒼白になったり、爪上皮に黒い出血点が出たり、指先に少しへこんだ傷痕ができることもあります。全身性強皮症ではステロイド等の内服治療、比較的症状の軽い限局性強皮症では対症療法が中心となります。
〇カンジダ性爪囲炎
手指の爪周囲が赤く腫れ、痛みが出ます。圧迫すると膿が出ることがあります。爪根部から変形する事もあります。抗真菌剤で治療しますが、根治には時間がかかります。
③ 指の痺れを感じる時 
〇バージャー病
手足や指先に冷えや痺れが起きます。手足の動脈の壁に生じる炎症が原因で、血管が細くなり、血栓ができて血管が詰まる病気です。喫煙者は、まず禁煙することが大切です。治療には血流改善剤や抗凝固剤等が使われます。
〇肘部管(ちゅうぶかん)症候群
薬指・小指が痺れる時に疑われます。肘を曲げると痺れが強くなります。スポーツや仕事による使い過ぎが原因の事が多く、まずは安静が大事です。
〇脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)
手足の力や感覚の異常が片側に起こることが始まりで、前触れなく突然起こります。早急な診断・治療が必要です。
〇脚気
ビタミンB1の不足が原因で末梢神経に異常が生じることにより、手足の先に痛みや痺れを感じます。食事や内服でビタミンB1を補給することで改善します。
痛み、腫れや痺れ以外にも指の変形等の症状出た時には放置せず整形外科を受診しましょう。