健康診断の検査結果からわかることを確認しましょう! No.2

バリウム検査
バリウム検査は、発泡剤で胃をふくらませたあと、バリウムを含む造影剤を飲み、検査台の上で身体を上下左右に動かし、胃の粘膜全体に造影剤を行き渡らせながらX線を連続的に照射し、胃の内部を観察する検査です。
発泡剤はガスを含んでいるため、飲んだ後は炭酸飲料と同じようにゲップが出やすくなります。そのため、検査終了までゲップを我慢するのが辛いと感じる方も多いようです。
バリウムはX線を透過しないので、バリウムが口から入り、食道、胃、十二指腸へと流れていく様子を見ることができます。
体を回転させることで、胃潰瘍による粘膜のくぼみの有無や胃炎の有無なども見ることができます。滑らかな粘膜面ではバリウムは流れるように通過しますが、ポリープや潰瘍など炎症のある場所ではバリウムが溜まるため、画像で異常を見つけることができます。
画像診断で異常が見つかった場合は、胃カメラ等での二次検査が必要となります。
胃カメラ
胃カメラは、口や鼻から柔らかいチューブのようなカメラを挿入し、食道、胃、十二指腸の粘膜表面を明るい光源で照らしながら観察する検査です。
胃の粘膜の状態を詳しく見ることができるので、胃潰瘍や胃炎といった良性疾患だけでなく、胃がんなどを早期の状態で発見することが可能です。また、検査をしながら、がんが疑われる部位があればその組織を一部採取することもできます。そして、ピロリ菌の検査も行えます。
一方で、カメラが挿入されるときに違和感を覚える方も多いです。
検査前に、少し気持ちが楽になるような薬を使用し、のどに十分な麻酔をすることで、それほど大きな負担を感じずに検査することも可能です。しかし、人によってはのどの反射が強くて、カメラを挿入するときに苦しい思いをされる場合があります。
鼻からカメラを挿入する方法もあり、こちらは口からの挿入と比較すると苦痛がほとんどなく楽だったと答える方が多いようです。最近では、麻酔で眠っている間に胃カメラを行うケースも増えてきました。
ABC検査
ABC検査は、血液検査でピロリ菌の有無やペプシノーゲンの濃度を測定し、胃粘膜で胃がんが発生しやすいかどうかを調べる検査です(現在のところは、胃がんの有無を調べるものではありません)。ペプシノーゲンの濃度を測定することで、胃の粘膜がどのくらい萎縮しているのかを確認できます。ピロリ菌が存在していたり、胃の粘膜が萎縮したりしていると、胃がんが発生しやすくなります。
しかし、ピロリ菌の感染または胃の萎縮が認められたとしても、必ずしも将来胃がんになるとは限りません。
胃や食道、十二指腸に病気のある方、胃を切除している方、ピロリ菌の除菌治療を受けた方、腎不全の方は、ABC検査を受けることができないので、あらかじめ医師に相談してください。