◆◆予後良好な進行性B細胞リンパ腫患者におけるリツキシマブを併用したCHOP化学療法の4サイクル治療対6サイクル治療(FLYER):無作為化第3相非劣性試験◆◆

【背景】 R-CHOP(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン)の6サイクル治療は、進行性B細胞非ホジキンリンパ腫の標準治療である。FLYER試験では、予後良好なB細胞非ホジキンリンパ腫患者群におけるCHOPの4サイクル治療+リツキシマブはR-CHOPの6サイクル治療に対し非劣性であるかどうか評価した。

【方法】 この2群非盲検国際多施設前向き無作為化第3相非劣性試験は、デンマーク・イスラエル・イタリア・ノルウェー・ドイツの138の臨床施設で行われた。 我々は、ステージI~II、血清乳酸脱水素酵素濃度が正常で、ECOGのパフォーマンスステータスが0~1、巨大病変(最大腫瘍径7.5cm未満)のない18~60歳の患者を登録した。無作為化はコンピューターを基にし、施設・ステージ(I 対 II)・リンパ節外部位(なし対あり)に対して層別化後、Pocockの最小化アルゴリズムを使用して1:1の比率となるよう中央で行った。患者を、R-CHOP 療法6サイクル群またはR-CHOP療法4サイクル+リツキシマブの2回投与群のいずれかに割り付けた。CHOP療法はシクロホスファミド(750mg/㎡)、ドキソルビシン(50mg/㎡)、およびビンクリスチン(1.4mg/㎡、最大総投与量2mg)から成り、すべて初日に静脈内投与し、治験責任医師の判断でプレドニゾンまたはプレドニゾロン(100mg)を1~5日目に経口投与した。リツキシマブは375mg/㎡体表面積で投与した。21日ごとのサイクルを繰り返した。放射線治療は、精巣リンパ腫の治療を除いて計画されなかった。主要評価項目は、3年後の無増悪生存率とした。一次解析は、ITT集団で行われた。安全性は、割り付けられた治療を1回以上受けたすべての患者において評価した。非劣性マージンは−5.5%とした。この試験は完了し、前もってClinicalTrials.gov、NCT00278421に登録された。

【結果】 2005年12月2日から2016年10月7日までに592人の患者が登録され、そのうち295人をR-CHOPの6サイクル群、297人をR-CHOPの4サイクル+リツキシマブ2回投与群に割り付けた。4サイクル群の4人は治療開始前にインフォームドコンセントを取り下げたため、588人をITT分析に含めた。中央値66ヵ月(IQR 42-100)の追跡調査後、R-CHOP療法4サイクル+リツキシマブ2回投与された患者の3年無増悪生存率は96%(95%CI 94-99)で、R-CHOP療法6サイクル群よりも3%良好(95%CIの下限値は0%)であり、4サイクル療法の非劣性を示した。6サイクル群では血液学的有害事象426例および非血液学的有害事象1280例が認められたのに対し、4サイクル群ではそれぞれ294例および1036例であった。6サイクル群の患者2人が治験中に死亡した。

【考察】 進行性B細胞非ホジキンリンパ腫で予後良好な若い患者では、R-CHOPの4サイクル療法はR-CHOPの6サイクル療法に対して非劣性で、毒性作用は抑制される。したがって、この患者群における結果を損なうことなく化学療法を減らすことができる。

【資金提供】 Deutsche Krebshilfe.

※原題:Four versus six cycles of CHOP chemotherapy in combination with six applications of rituximab in patients with aggressive B-cell lymphoma with favourable prognosis (FLYER): a randomised, phase 3, non-inferiority trial

※文章内の抗がん剤の商品名と製造会社は以下の通り:

シクロホスファミド:エンドキサン(塩野義)・ドキソルビシン:アドリアシン(アスペン・ファイザー)・ビンクリスチン:オンコビン(日本化薬)・リツキシマブ(全薬・中外)

(394;2271-81、Viola Poeschel et al、December 21/28,2019)