災害対策とSDGs

2019年も地球温暖化との関連が疑われる自然災害が世界規模で増えた1年でした。「気候関連の災害は過去40年で倍以上に増えた」と指摘されることもあり、地球温暖化とそれに伴う災害への対策は世界的な課題になっています。
災害対策とSDGs
SDGs(持続可能な開発目標)には災害対策との関連性も明記されています。 
●SDGs:ゴール 11「住み続けられるまちづくりを」(ターゲット11.5、11.b)

「災害が起きても回復力が高い安全な都市や居住空間を作る」という目標です。「仙台防災枠組
2015-2030」に沿って、あらゆるレベルでの総合的な災害リスク管理の策定と実施を行うことを目指しています。
●SDGs:ゴール1「貧困をなくそう」(ターゲット1.5)
貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象や災害への暴露や脆弱性を軽減することを目指しています。貧困と災害の関係については過去に起きた災害でも課題になっています。

 

災害時に犠牲になりやすい人
「高齢者」「貧困層」「障がい者」
高齢者では身体的な衰えが原因で災害時に逃げ遅れてしまう事例もあります。
また、家賃が阪神淡路大震災での生死を分けたという記録もあります。家賃3万円以下の木造賃貸に被害が集中し、そこに住んでいた多くの単身高齢女性が犠牲になりました。浸水や土砂災害などが起きやすい場所に住居地域があるといった背景もあります。貧困は災害時の犠牲の拡大にもつながってしまうのです。
障がい者については、東日本大震災での犠牲率は健常者の2倍というデータがあります。視覚や聴覚の障害によって情報の入手が困難であったり(情報障害)、また身体障害がある場合は逃げ遅れにつながります。知的障害や精神疾患などの環境適応障害がある場合は危険の感知が困難になり、その後の避難所での集団生活や“初めてのこと”が苦手でパニックになることもあります。
災害の発生そのものを抑えることはできなくても、被害をできるだけ少なくすることはできます。国や自治体が、災害が発生しても住み続けられるような「災害と共生するまちづくり」をすすめていくこと(公助)、立場や境遇に関わらず地域や家族で助け合うこと(共助)、一人ひとりが災害対策をすること(自助)、どれも欠かすことはできませんが、なにより自分が無事であることが「災害への取り組み」につながり、ひいては「SDGsの取り組み」にもつながります。水や食料の備えをする等、すぐにできることから皆さんもぜひ取り組んでみてはいかがでしょうか。