◆◆心房細動患者における冠動脈ステント挿入成功後のエドキサバンベースとビタミンK拮抗薬ベースの抗血栓療法(ENTRUST-AF PCI):無作為化非盲検第3b相試験◆◆

【背景】 我々は、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を行った心房細動の患者において、P2Y12阻害薬と併用したエドキサバンの安全性を評価することを目的として試験を行った。

【方法】 ENTRUST-AF PCIは、結果評価を隠した無作為化多施設非盲検第3b相試験で、18カ国の186の施設で行われた。患者は、経口の抗凝固療法を必要とする心房細動があり、18歳以上で、安定型冠動脈疾患または急性冠動脈血栓症のためのPCIが成功した者とした。試験参加者を、PCI実施後4時間~5日の間に隠蔽化・階層化・ブロック化したウェブベース無作為化システムを用いて、エドキサバン(60mgを1日1回)+P2Y12阻害剤を12か月間またはビタミンK拮抗薬(VKA)+P2Y12阻害薬とアスピリン(100mgを1日1回、1~12か月間)のいずれかを投与する群に1対1の割合で無作為に割り付けた。エドキサバンの用量は、1つ以上の要因(クレアチニンクリアランス15~50 mL / min、体重60kg以下、または特定の強力なP糖タンパク質阻害薬の併用)が存在している場合、1日30 mgに減量された。主要評価項目は、12か月以内の大出血または臨床的重要な(clinically relevant non-major:CRNM)出血の複合とした。一次解析は、ITT解析集団で行われ、安全性は割り当てられた治験薬を少なくとも1回投与された全患者において評価した。この試験はClinicalTrials.gov(NCT02866175)に登録されており、新規参加者の募集は締め切られ、追跡調査は完了した。

【結果】 2017年2月24日から2018年5月7日までに1506人の患者が登録され、エドキサバン療法(n = 751)またはVKA療法(n = 755)に無作為に割り付けた。PCIからランダム化までの平均時間は45.1時間であった(IQR 22.2–76.2)。大出血またはCRNM出血イベントの発生は、エドキサバン群では751人中128人(17%)(イベント発生率20.7%)、VKA群では755人中152人(20%)(イベント発生率25.6%)であった;ハザード比0.83(95%信頼区間 0.65–1.05;非劣性の場合p = 0.0010、マージンハザード比1.20;優位性の場合p = 0.1154)。

【考察】 PCIを行った心房細動の患者において、エドキサバンを用いた治療はVKAを用いた治療と比較して出血に関して非劣性で、虚血性イベントに有意差はなかった。

【資金提供】 第一三共

※原題:Edoxaban-based versus vitamin K antagonist-based antithrombotic regimen after successful coronary stenting in patients with atrial fibrillation (ENTRUST-AF PCI): a randomised,open-label,phase 3b trial

※エドキサバンは、「リクシアナ」の商品名で第一三共から発売されている。

(394;1335-43:Pascal Vranckx et al:October 12,2019)