二次感染を防ぐ嘔吐物の処理の仕方

感染性胃腸炎は一年を通じて発生していますが、ウイルスによるものと細菌によるものがあり、冬はウイルスによるものが多く、冬の前半にノロウイルス、冬の後半から春にかけてロタウイルスによる胃腸炎が流行する傾向にあります。
ノロウイルスは感染力が非常に強く、感染した人の嘔吐物や糞便には大量のウイルスが含まれているので、その処理には十分注意する必要があります。
●処理のポイント
・処理前~処理後は十分な換気を心がける。
・直接触れないようにする。
・処理が不十分なまま嘔吐物が乾燥すると粉塵として舞い上がり、汚染を広げてしまう可能性があるので、速やかに処理を行い、周囲への拡散を防止する。
・消毒液(0.1%次亜塩素酸ナトリウム液)は効果が減弱するので、作り置きはしない。
次亜塩素酸ナトリウム液の作り方
★0.1%(嘔吐物などの汚染物を消毒する場合)
500mlペットボトルにキッチンハイター 10 ml(ペットボトルのキャップ約2杯)を入れて、水道水をすり切りいっぱいまで入れる。
★0.02%(ドアノブや便座などを消毒する場合)
2ml(キャップ半分弱)を入れる。
●用意する物
使い捨て手袋(2組)、使い捨てマスク、使い捨てエプロン、拭き取るためのペーパータオル、新聞紙、バケツ、ビニール袋2枚、次亜塩素酸ナトリウム液、へら(厚紙)など
●処理の手順
処理の範囲・・・塩ビ製タイルは半径 2.3m、カーペットは半径 1.8m
①嘔吐物は飛散するので、処理中は汚染区域に他の人が近づかないよう注意し、手袋、マスク、エプロンをつけて準備をする。
※このとき、手袋は二重にしておくとよい。
②嘔吐物に新聞紙などをかぶせて水分を吸収させ、その上から嘔吐物の量と同量の0.1%次亜塩素酸ナトリウム液を静かにかける。
※最初はペーパータオルでなく新聞紙でOK。
③嘔吐物は広がらないようにへらやペーパータオルを利用し外側から中央に向かって集め取り除く。
※同一面でこすると汚染が広がるので注意。
※ここからは、きれいなペーパータオルで!
④拭き取ったペーパータオルや新聞紙は、0 .1%次亜塩素酸ナトリウム液を入れたビニール袋に入れる。この時、外側の手袋だけを外し、拭き取ったペーパータオルなどとともにビニール袋に入れる。
⑤汚れた床の上にペーパータオルを置き、その上から0.1%次亜塩素酸ナトリウム液をかけて浸し、10分程度置いておく。
⑥汚染場所を広げないようにペーパータオルで拭き取り、嘔吐物の処理をした人の履物の裏側も消毒する。
⑦拭き取った後は、水拭きをする。
⑧使い捨ての手袋、マスク、エプロンに触れないよう注意して外し、拭き取ったペーパータオルとともにビニール袋に入れ、袋の口をしっかりと閉める。ビニール袋は二重にして、口を密封する。
⑨石鹸を使ってよく手を洗い、うがいをする。
※処理後も30分程換気をする。

 

※脱色する床では使用できません。ご注意ください。