◆◆全般性不安障害に対する薬物治療:系統的レビューとネットワークメタアナリシス◆◆

【背景】 全般性不安障害は多くの機能障害と関連している可能性がある疾患である。心理学的治療はコストと資源の点で制約があるため、臨床医にとっては薬物治療がしばしば第一選択となるが、使用できる薬剤の選択について比較した情報は不足している。

【方法】 MEDLINEWeb of ScienceCochrane LibraryClinicalTrials.govChinise National Knowledge Infrastructure(CNKI)Wanfang dataDrugs@FDAと、民間医薬品登録から確認した、全般性不安障害の成人外来患者における無作為化試験に対して系統的レビューとネットワークメタアナリシスを行った。プラセボ・実薬対照試験が含まれた。データを全ての原稿・報告書から抽出した。主要評価項目は有効性(ハミルトン不安評価尺度の変化の平均差[MD])と忍容性(あらゆる原因による研究中止)とした。我々は変量効果をもつネットワークメタアナリシスを用いて平均治療差とオッズ比の概要を推定した。この研究はPROSPERO、ナンバーCRD42018087106に登録される。

【結果】 199411日から201781日の間に発表された1992の研究を、分析に含めるためにスクリーニングした。この分析は、22の異なる実薬またはプラセボに無作為に割り付けられた25441人の患者を含んだ89の試験に基づいている。デュロキセチン(MD3.1395%確信区間[CrI]4.13~−2.13)、プレガバリン(MD2.1995%CrI3.69~−1.91)、ベンラファキシン(MD2.6995%CrI3.50~−1.89)、エスシタロプラム(MD2.4595%CrI3.27~−1.63)はプラセボよりもより有効で相対的に良い忍容性があった。ミルタザピン、セルトラリン、フルオキセチン、ブスピロン、アゴメラチンもまた有効で十分に忍容性があることを発見したが、これらの研究結果はサンプルサイズが小さいため限度があった。クエチアピン(MD3.6095%CrI4.83~−2.39)HAM-Aについて最大の効果をもたらしたが、プラセボと比較した場合に忍容性は低かった(オッズ比1.4495%CrI1.161.80)。同様に、パロキセチンとベンゾジアゼピンも有効であったがプラセボと比較した場合に忍容性は低かった。出版バイアスを回避するために完了した研究すべてを含めると、報告バイアスのリスクは低いと考えられた。

【考察】 我々の知る限り、これはネットワークアナリシスの使用による全般性不安障害の治療に対する薬剤についての現段階での最大のレビューである。様々な種類の薬剤において、全般性不安障害に対する有効な治療の選択肢がいくつかある。薬物治療初期での失敗は、薬物を用いた治療方策を中止する理由にはならないかもしれない。

【助成】 なし

※原題:Pharmacological treatments for generalized anxiety disorder: a systematic review and meta-analysis

(393;768-77April Slee et alFebrary 23,2019)

※上記文献中の薬剤で、日本で発売されているものの主な商品名は以下の通り

  デュロキセチン:サインバルタ(塩野義・リリー)

プレガバリン:リリカ(ファイザー)

ベンラファキシン:イフェクサー(ファイザー)

エスシタロプラム:レクサプロ(持田)

ミルタザピン:レメロン(MSD)・リフレックス(Meiji Seika)

セルトラリン:ジェイゾロフト(ファイザー)

クエチアピン:セロクエル(アステラス)

パロキセチン:パキシル(グラクソ)

フルオキセチン・ブスピロン・アゴメラチンは未発売