◆◆The Anglo-Scandinavian Cardiac Outcomes Trial(ASCOT)レガシー研究における高血圧患者での血圧低下・脂質低下治療後の長期間死亡率:無作為化要因試験の16年間にわたる追跡調査の結果◆◆

【背景】高血圧の患者において、特に臨床試験環境下においては降圧治療と脂質低下治療の心血管死・全死亡への長期にわたる効果については十分に立証されていない。ASCOTレガシー研究では、元のASCOT試験における英国の治療参加者を16年追跡調査した後の死亡率転帰について報告する。

【方法】 ASCOT試験は、2×2要因計画の多施設無作為化試験であった。英国拠点の高血圧患者を、全死亡・心血管死亡について15.7(中間値・IQR9.716.4)にわたり追跡調査を行った。ベースライン時、ASCOTの血圧低下試験(BPLA)に登録された患者全員を無作為にアムロジピン治療群またはアテノロール治療群に割り付けた。これらの患者のうち、総コレステロール値が6.5mmol/L(251.55mg/dL)以下である者または以前に脂質低下治療を受けたことのない者についてはさらに、ASCOT脂質低下試験(LLA)の一端としてアトルバスタチンまたはプラセボを投与する群に無作為に割り付けた。残りの患者は非LLA群とした。2人の医師が独立して全ての死因を判定した。

【結果】ASCOT試験において、英国拠点の患者8580人のうち3282(38.3%)が死亡した。内訳は、アテノロール治療群4275人のうち1640(38.4%)、アムロジピン治療群4305人のうち1642(38.1%)だった。LLA参加者4605人のうち1768人が死亡した。内訳は、プラセボ群2288人中903(39.5%)、アトルバスタチン群2317人中865(37.3%)だった。全死亡のうち、1210(36.9%)は心臓血管関連の要因によるものだった。BPLAに参加した患者においては、両治療群の間で全死亡での全体的な差異はなかった(補正したハザード比[HR]0.9095CI0.811.01p0.0776)が、脳卒中による死亡はアテノロール治療群よりもアムロジピン治療群の方が有意に少なかった(補正HR 0.710.530.97p=0.0305)BPLALLAそれぞれにおいて治療割り付けの交互作用はなかったが、非LLA群の3975人においては、アテノロール治療群に比べてアムロジピン治療群の方が心血管死がより少なかった(補正HR 0.790.670.93p=0.0046) (2つの血圧治療とLLA・非LLAの割り付け間の交互作用に対する試験についてのp0.022)LLAでは、心血管死はプラセボ群よりもスタチン群の患者の方が有意に少なかった(HR 0.850.720.99p=0.0395)

【考察】我々の知見は、Ca拮抗薬を用いた降圧治療とスタチンを用いたコレステロール低下治療の死亡率に対する長期的な有効性を示している。アムロジピン治療を行った患者は脳卒中死が、アトルバスタチン治療を行った患者は心血管死が、試験を終了して10年以上経過しても少なかった。全体として、ASCOTレガシー研究は高血圧とコレステロールへの介入が心血管転帰に対する長期的利益と関連があるという見解を支持している。

【資金提供】 Pfizer

※原題:Long-term mortality after blood pressure-lowering and lipid-lowering treatment with hypertension in the Anglo-Scandinavian Cardiac Outcomes Trial(ASCOT) Legacy study:16-year follow-up results of a randomized factorial trial

(392;1127-37Ajay Gupta et alSeptember 29,2018)