食品のカビにご注意ください!

梅雨から夏にかけては、住まいにも食品にもカビの発生しやすい時期となっています。
カビの胞子は空気中に浮遊しており、知らず知らずのうちに吸い込んで、喘息やアレルギーを引き起こすこともあります。
●食品のカビ
パン屋さんで買った食パンを残していて気がついたらカビが生えていた、段ボールごとみかんを買ったらいつの間にかカビが生えていた…なんてことはありませんか?カビが生えることで異臭を発生させ、味も変わってしまいます。そしてこのカビは、ありとあらゆる食品に生える可能性があります。カビの発育には、主に水分、温度、酸素、栄養の条件が関わってきますが、ほとんどの食
品にはその条件がそろっているのです。
●健康に問題ありの「カビ毒」
細菌やウイルスによる食中毒はよく知られていますが、一部のカビが産生する「カビ毒」も食中毒の原因となることを知っていますか?
カビ毒にはたくさんの種類があり、なかでも、非常に強い発がん性をもつ「アフラトキシン」には注意が必要です。一般に熱に強く、加熱調理で分解することはほとんどありません。しかし、少量食べただけでは大きな危害はありません。カビ毒を産生するカビは日本国内には多くないことも分かっています。とは言え、もしカビ毒が産生されていたら、表面のカビを取り除いても食品中にカビ毒は残っているので、やはり、カビが生えた食品は食べない方がよいでしょう。
●アフラトキシンとは?
「アフラトキシン」とは、自然界で最強の発がん性をもつカビ毒です。肝臓がんの原因となる化学物質として認定され、世界中で厳しく規制されています。トウモロコシ、落花生、アーモンド、ピスタチオなどの輸入食品がアフラトキシンに汚染されやすい食品です。これらの食品は輸入時に検査され、基準値を超えた場合には廃棄、または積み戻しとなるため、輸入されることはほとんどありません。けれども、ヨーロッパの厳しい基準値に比べると、日本は緩い基準値となっています。輸入された食品より日本で生産されたものを使用した方が安全と言えるでしょう。
<カビの発生を予防しましょう>
①湿気を減らす
乾燥剤などを使用してカビが好む水分を減らしましょう。
②冷蔵庫、冷凍庫に保管する
カビは15~30℃で最も発育します。発育を抑制するためにもカビが好む温度帯を避けましょう。しかし、冷蔵庫、冷凍庫に保管してもカビが死滅するというわけではなく、発育が遅くなるだけなので、長期間の保存はおすすめしません。
③酸素を遮断する
一度、開封すると空気に触れてしまうため、カビが発生しやすくなります。真空パックなどに保存してカビの発生を予防しましょう。
カビが生えた食品を過度に怖がる必要はありませんが、野菜や加工食品は鮮度の良い間に食べる、開封した食品は早めに食べ切るなどを心掛けましょう。そうすることで、無駄に食品を廃棄してしまう「食品ロス」の軽減にも繋がります。