早めの花粉症対策を

今年の花粉飛散予測は?
 スギ花粉・ヒノキ花粉の飛散量は、前年夏の気象条件(気温・日照時間・降水量)が大きく影響します。2018年の夏は、東日本・西日本で記録的な高温になり、日照時間も多く、降水量はゲリラ豪雨や台風の影響で平年より多くなりました。日本気象協会が発表した2019年春の花粉飛散予測(第1報)では、飛散量は全国的に例年並みかやや多いと言われています。前年と比べると東北、関東、四国、九州地方の一部では少ない予想ですが、例年より多くなる地方が多いので油断はできません。
スギ花粉は早い地域で2月上旬ごろから飛び始めます。このため、1月から対策をすると良いとされています。
日常生活での対策
・マスク、眼鏡、帽子を着用する。表面がすべすべした素材のコートを着用する。
・帰宅時に衣服や髪をよくはらってから入り、すぐにうがい、手洗い、洗顔をする。
・窓、戸をなるべく閉めておく。換気時には窓を小さく開け、短時間にとどめる。
・洗濯物の外干しは避け、室内干しや乾燥機を使用する。
・こまめに掃除をする。特に窓際を念入りに掃除する。
・空気清浄器を使用する。

 

 大切なのは、花粉との接触をできるだけ避け、予防するということです。また、喫煙、睡眠不足、過労、ストレス、偏った食事などは症状を悪化させる要因といわれているので気を付けましょう。

治療

<薬物療法>…治療の基本になるのが、「抗ヒスタミン薬」です。アレルギー反応によって体内に起きるヒスタミンの働きをブロックし、くしゃみや鼻水、鼻づまりといった症状を抑えます。以前は「眠気が出やすい」と言われていましたが、最近は副作用が軽減された「第2世代抗ヒスタミン薬」が主流となっています。「抗ロイコトリエン薬」は、鼻粘膜の腫れを引き起こすロイコトリエンを抑制する薬で鼻づまりが強い場合に使われます。「鼻噴霧用ステロイド薬」は鼻に噴霧して粘膜の腫れを抑えます。このほか、目の症状に困っている場合は,「点眼用抗ヒスタミン薬」、「点眼用遊離抑制薬」、「点眼用ステロイド薬」などが使われます。

<レーザー手術>…薬物治療で十分な効果が得られず、特に鼻づまりが強い場合、レーザー手術を行うこともあります。 鼻粘膜にレーザーを照射すると、腫れていた粘膜が凝固して鼻の中の空間が広がり鼻づまりが解消します。

<免疫療法>…「アレルゲン免疫療法」と呼ばれていて、アレルギーの原因物質「アレルゲン」を少量から体に取り入れて体をアレルゲンに慣らし症状を和らげる治療です。以前は注射で行われていましたが、最近は舌の裏側から薬を投与する舌下液・錠剤が発売されています。長期にわたりアレルギー症状を抑える可能性がありますが、治療は長くかかり(2~5年)ます。まれに重篤な症状が現れることもあり、対応できる医師の下で行う必要があります。

 最近は、病院で処方されていた薬の一部が市販薬として発売されています。セルフケアとして用いることが増えていますが、長く服用しても症状が改善しない・悪化する人は、早めに耳鼻咽喉科を受診して適切な治療を受けましょう。