◆肥満または過体重の2型糖尿病患者における GLP-1とグルカゴン受容体デュアルアゴニストMEDI0382◆

【背景】

肥満や過体重の2型糖尿病患者の疾患管理において体重減少はしばしば鍵となり、未だ臨床的に意味のある体重減少を達成した糖尿病の治療法はほとんどない。我々は2型糖尿病の患者において、血糖コントロールと体重減少のために開発されたグルカゴン様ペプチド-1(glucagon-like peptide-1:GLP-1)とグルカゴン受容体(glucagon receptor)のバランスの取れたデュアルアゴニストであるMEDI0382による治療の有効性、忍容性、および安全性を評価することを目的とした。

【方法】

ドイツの11研究施設(病院と医療品開発業務受託機関[contract research organization])において、無作為化プラセボ対照二重盲検複数用量漸増(multiple-ascending dose:MAD)および第Ⅱa 相統合試験が行われた。我々は、コントロールされた2型糖尿病(スクリーニング時のグリコヘモグロビンA1c[HbA1c] 6.5-8.5%)で体格指数(body-mass index:BMI)が27kg/㎡から40kg/㎡の間の18-65歳の患者を登録した。自動web応答システムを用いて、MEDI0382もしくはプラセボのいずれかを投与する群へと患者を無作為に割り当てた。MAD試験では患者をコホートA-Cは2:1、コホートDとEは3:1の割合で、また第Ⅱa相試験では1:1の割合で無作為に割り当てられた。無作為化は、試験の臨床業務には関与していない受託した第三者事業者によって行われた。参加者の治療や評価に関わる薬剤師や参加者、および試験施設の職員は治療の割り当てを隠されていた。患者はMAD試験では最大300㎍の用量を最長22日間まで、また第Ⅱa相試験では最大200㎍を最長41日間まで1日1回治験薬の皮下注射を受けた。第Ⅱa相試験の2つの一次エンドポイントは、少なくとも1回は治験薬を投与されてベースラインと41日目の測定値が得られているすべての患者において評価した混合食負荷試験(a mixed-meal tolerance test:MMTT)後の0-4時間血糖値曲線下面積(AUC0-4h)におけるベースラインから41日目までの変化と、包括解析(ITT)集団で評価した体重におけるベースラインからの変化とした。安全性解析は治験薬を投与された参加者すべてにおいて行われ、受けた治療に応じて分析された。この試験はClinicalTrials.gov、ナンバーNCT02548585に登録されている。

【結果】

患者は2015年12月9日から2017年2月24日までの間に集められた。患者61名は無作為にMAD試験へと割り当てられた(42名はMEDI0382群で19名はプラセボ群)。患者51名は無作為に第Ⅱa相試験へと割り当てられ、そのうち25名はMEDI0382群で26名はプラセボ群へと無作為に割り当てられた。第Ⅱa相試験において、MEDI0382群患者3名とプラセボ群患者1名がいずれも有害事象の結果として投与を中止した。MEDI0382群患者22名(88%)とプラセボ群患者25名(96%)が少なくとも1回は投与され、ベースラインと41日目の測定値が得られた。MMTT後血糖値(AUC0-4h)はMEDI0382 vs プラセボで有意に減少していた(最小二乗[least squares:LS]平均-32.78%[90% CI -36.98 to -28.57] vs -10.16%[-14.10 to -6.21]、平均差-22.62%[-28.40 to -16.85];p<0.0001)。ITT集団において、体重減少はプラセボよりもMEDI0382の方が有意に大きかった(LS平均-3.84 kg[90%CI -4.55 to -3.12] vs -1.70 kg[-2.40 to -1.01]、平均差2.14 kg[-3.13 to -1.31];p=0.0008)。治療中に発生した有害事象(treatment-emergent adverse event:TEAE)があった患者割合は治療群間で同様であった(MEDI0382群で25名中22名[88%] vs プラセボ群で26名中23名[88%])。胃腸障害(18名[72%] vs 13名[40%])と食欲不振(5名[20%] vs 0)がプラセボ群よりもMEDI0382群でより多く見られた。MEDI0382群でグレード3以上のTEAEの見られた参加者はいなかった(vsプラセボ群は2名[8%])。

【考察】

MEDI0382は肥満もしくは過体重の2型糖尿病の患者において、血糖値と体重の臨床的に意味のある減少をもたらす可能性がある。

(391;2607-18:Philip Ambery et al:JUNE 30,2018)