◆◆全身性エリテマトーデスに対するバリシチニブ: 二重盲検無作為化プラセボ対照第Ⅱ相試験◆◆

【背景】

全身性エリテマトーデス(SLE)患者は実質的に医療ニーズが満たされていない。
バリシチニブ(baricitinib)は、我々が全身性エリテマトーデス患者において治療的有益性があると仮説を立てている経口選択的ヤヌスキナーゼ(Janus kinase:JAK)1およびJAK2阻害薬である。

【方法】

この二重盲検多施設無作為化プラセボ対照24週間第Ⅱ相試験では、患者が11ヵ国の78施設から集められた。適格とされた患者は18歳以上で、全身性エリテマトーデスであると診断されており、皮膚や関節も含めて活動性疾患であった。患者を、バリシチニブ2㎎、バリシチニブ4㎎、あるいはプラセボのいずれかを1日1回24週間投与される群へと無作為に振り分けた(1:1:1)。主要エンドポイントは、24週時点で関節炎や発疹の消失を達成(SLE Disease Activity Index-2000 [SLEDAI-2K]により定義)した患者の割合とした。有効性と安全性の解析は、少なくとも試験薬を1回は服用したすべての患者が含まれた。この試験はClinicalTrials.gov、ナンバーNCT02708095に登録されている。

【結果】

2016年3月24日から2017年4月27日の間に、314名の患者がプラセボ群(n=105)、バリシチニブ2㎎群(n=105)、あるいはバリシチニブ4㎎群(n=104)へと無作為に割り当てられた。24週目におけるSLEDAI-2K関節炎や発疹の改善は、バリシチニブ4㎎投与群患者104名のうち70名(67%)(オッズ比[OR] vsプラセボ1.8、95%CI 1.0-3.3;p=0.0414)とバリシチニブ2㎎投与群患者105名のうち61名(58%)(OR 1.3、95%CI 0.7-2.3;p=0.39)で達成された。有害事象はプラセボ群患者68名(65%)、バリシチニブ2㎎群患者75名(71%)、およびバリシチニブ4㎎群患者76名(73%)で報告された。重篤な有害事象は、バリシチニブ4㎎群患者10名(10%)、バリシチニブ2㎎群患者11名(10%)、そしてプラセボ群患者5名(5%)にみられたが、患者の死亡は報告されていない。重篤な感染は、バリシチニブ4㎎群患者6名(6%)、バリシチニブ2㎎群患者2名(2%)、およびプラセボ群患者1名(1%)で報告された。

【考察】

バリシチニブの投与量2㎎ではなく4㎎の服用は、標準的な治療を行っているにも関わらず十分にコントロールできていない活動性全身性エリテマトーデス患者の兆候や症状を有意に改善し、バリシチニブに関する以前の試験における安全性プロファイルとも一致している。この試験は、全身性エリテマトーデスの新しい可能性のある経口治療法として、バリシチニブによるJAK1/JAK2阻害のこれからの第Ⅲ相試験の基盤を提供している。

(392;222-31:Daniel J.Wallace et al:JULY 21,2018)

バリシチニブは「オルミエント」の商品名でイーライリリーから発売されている。