◆従来の合成DMARDsで効果不十分な関節リウマチ患者に おけるウパダシチニブの安全性と有効性(SELECT-NEXT)◆

【背景】

ウパダシチニブ(upadacitinib)はヤヌスキナーゼ(Janus kinase:JAK)1の選択的阻害薬で、第2相試験において中等度から重度の関節リウマチ患者に有効であった。
我々は、従来の疾患修飾性抗リウマチ薬(conventional synthetic disease-modifying anti-rheumatic drugs:csDMARDs)で効果不十分な患者におけるウパダシチ二ブの有効性を評価することを目的とした。

【方法】

この試験は35ヵ国の150施設で実施された二重盲検プラセボ対照試験である。
我々は3ヵ月以上にわたり活動性関節リウマチに罹患している18歳以上の患者で、試験登録前に少なくとも3ヵ月間はcsDMARDsを、少なくとも4週間は一定の用量で投与され、次のcsDMARDs(メトトレキサート[methotrexate]、スルファサラジン[sulfasalazine]、またはレフルノミド[leflunomide])の少なくとも1つは効果不十分だった患者を登録した。自動応答技術を用いて、我々は一定量のcsDMARDsを補助的に投与されている患者を、ウパダシチニブ15mgまたは30mgの徐放性製剤もしくはプラセボを1日1回12週間投与する群へと無作為に割り当てた(2:2:1:1)。患者や治験責任医師、および資金提供者は割り当てを隠されていた。
12週間後、事前指定の無作為割り付けにより、プラセボ投与患者は1日1回15mgまたは30mgのウパダシチニブを投与された。
主要評価項目は、12週時点で米国リウマチ学会基準(American College of Rheumatology criteria)の20%改善(ACR20)とC反応性蛋白を用いた28関節の疾患活動性スコア(28-joint disease activity score using C-reactive protein:DAS28[CRP])が3.2以下を達成した患者の割合とした。
我々は、少なくとも1回は治験薬を投与された無作為割り当て患者すべてによる最大の解析対象集団(full analysis set:FAS)で有効性解析を行い、主要アウトカム評価にはnon-responder imputation法(評価が得られなかった症例はノンレスポンダーとして補完)を用いた。
この試験はClinicalTrials.gov、ナンバーNCT02675426に登録されている。


【結果】

2015年12月17日から2016年12月22日の間に、患者1083名が適格性について評価され、そのうち661名が集められて、ウパダシチニブ15mg(n=221)、ウパダシチニブ30mg(n=219)、プラセボ(n=221)のいずれかを投与される群へと無作為に割り当てられた。
すべての患者が少なくとも1回は治験薬を投与され、618名(93%)は12週間の治療を完了した。
12週の時点で、ACR20はプラセボ投与群患者221名中79名(36%:95%CI 29-42)と比較して、ウパダシチニブ15mg投与群221名中141名(64%:95%CI 58-70)とウパダシチニブ30mg投与群219人中145名(66%:60-73)の患者で達成された(p<0.0001,各用量vs プラセボ)。DAS28(CRP)3.2以下はプラセボ投与群患者の38名(17%:95%CI 12-22)と比較して、ウパダシチニブ15mg投与群107名(48%:95%CI 42-55)とウパダシチニブ30mg投与群105名(48%:41-55)の患者が満たしていた(p<0.0001,各用量vs プラセボ)。 有害事象はウパダシチニブ15mg投与群患者221名中125名(57%)、ウパダシチニブ30mg投与群患者219名中118名(54%)、およびプラセボ投与群患者221名中108名(49%)で報告された。最も多く報告された有害事象(いずれかの群で患者の5%以上)は、吐き気(ウパダシチニブ15mg群221例中16例[7%];ウパダシチニブ30mg群219例中3例[1%];プラセボ群で221例中7例[3%])、鼻咽頭炎(12例[5%];13例[6%];9例[4%])、上気道感染症(12例[5%];12例[5%];9例[4%])、および頭痛(9例[4%];7例[3%];12例[5%])だった。プラセボ(221例中47例[21%])に対して、ウパダシチニブ(15mg投与群221例中64例[29%]と30mg投与群219例中69例[32%])で感染症がより多く報告された。帯状疱疹感染症3例(プラセボ群1例[<1%]、ウパダシチニブ15mg群1例[<1%]、ウパダシチニブ30mg群1例[<1%])、原発性水痘帯状疱疹ウイルス感染症1例(ウパダシチニブ30mg群1例[<1%])、悪性腫瘍2例(どちらもウパダシチニブ30mg群)、主要有害心血管イベント1例(ウパダシチニブ30 mg群)、そして重篤な感染症5例(プラセボ群1例[<1%]、ウパダシチニブ15mg群1例[<1%]、ウパダシチニブ30mg群3例[1%])がみられた。試験期間中に死亡例は報告されなかった。

【考察】

中等度から重度の活動性関節リウマチで、csDMARDsとの併用でウパダシチニブ(15mgまたは30mg)を投与された患者は、臨床的な兆候および症状の有意な改善を示していた。

(391;2503-12:Gerd R.Burmester et al:JUNE 23,2018)

※上記本文中に登場する薬剤で、メトトレキサートとスルファサラジンは代表的なものとして商品名「リウマトレックス」「アザルフィジンEN」がそれぞれファイザーとあゆみ・ファイザーから、レフルノミドは「アラバ」の商品名でサノフィから発売されている。