◆◆伏在静脈グラフトでの薬剤溶出ステントvs ベアメタルステント:二重盲検無作為化試験◆◆

【背景】 新たな伏在静脈グラフト(saphenous vein bypass graft:SVG)病変のステント留置術を受けた患者において、大動脈冠動脈のSVG不全を減少させるための薬剤溶出ステント(drug-eluting stents:DES)とベアメタルステント(bare-metal stents:BMS)の有効性を比較した研究はほとんどない。我々は、新規SVG病変におけるDES vs BMS使用時のリスクとベネフィットを評価した。

【方法】 我々の二重盲検無作為化比較試験では、25の米国退役軍人省施設から患者を募集した。18歳以上で、塞栓症防御デバイス使用目的の経皮的冠動脈形成術(percutaneous coronary intervention:PCI)を必要とする明らかな新規SVG病変(SVG直径2.25-4.5mmの50-99%狭窄)が1つ以上ある患者を試験対象とした。登録された患者は、DESもしくはBMSの群へと電話での無作為化システムにより1:1の割合で無作為に割り当てられた。無作為化は、層化因子の周辺合計について2つのステント群間のバランスをとるための適応的方法を用いて、各参加施設内で糖尿病の有無やPCIを必要とする標的SVG病変数(1つ、もしくは2つ以上)により層別化された。患者、委託医師、治験コーディネーター、およびアウトカム評価者にはグループの割り当てを知らされなかった。主要評価項目は心臓死、標的血管心筋梗塞、もしくは標的血管再建術の複合と定義した標的血管不全の12ヵ月間の発症率とした。The DIVA試験(the drug-eluting stents vs bare-metal stents in saphenous vein graft angioplasty trial)はClinicalTrials.gov、ナンバーNCT01121224に登録されている。

【結果】 2012年1月1日から2015年12月31日の間に、599名の患者が無作為に各ステント群へと割り当てられ、患者597名のデータが使用された。患者の平均年齢は68.6歳(SD 7.6)で、595名(>99%)は男性だった。2つのステント群間におけるベースライン特性の多くが類似していた。12ヵ月時点で、標的血管不全の発症率はDES群で17%(292例中51例)に対して、BMS群では19%(305例中58例)(補正ハザード比0.92、95%CI 0.63-1.34、p=0.70)だった。主要評価項目の構成要素、重篤な有害事象、あるいはステント血栓症において、両群間の差は有意なものではなかった。修正した目標症例数762例に達する前に患者登録は中止された。

【考察】 新規SVG病変のステント留置術を受けた患者において、追跡調査の12ヵ月間にDES群とBMS群間のアウトカムに有意差は無かった。本研究結果は低コストのBMSが安全性や有効性を損なうことなくSVG病変に使用できることを示唆しているため、米国のようなDES価格の高い国では重要な経済的意味がある。

(391;1997-2007:Emmanouil S.Brilakis et al:MAY 19,2018)